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人と自然をまもる西表島の夜間パトロール


イリオモテヤマネコをはじめとする希少な固有種が数多く生息する沖縄の西表島。

そこで先日、夜間の密猟パトロールに同行させて頂きました。

このパトロールは、昆虫などの採集者が多いこの時期、環境省と林野庁と竹富町が合同で実施しているものです。

その日のご担当は、環境省・西表自然保護官事務所の光森康祐さん。

夜間の密猟パトロールに同行させて頂いた、環境省・西表自然保護官事務所の光森康祐さん
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夜間の密猟パトロールに同行させて頂いた、環境省・西表自然保護官事務所の光森康祐さん

雨の降る中にもかかわらず、登山口や路肩にレンタカーを駐車して夜の亜熱帯林の奥へ入っていく人たちに、希少な動植物への密猟防止に協力を求めたり、入林届の有無などを確認したり、野生生物保護の大切さについて直接伝えるとともに、登山者の安全にも心を配って、一人ひとりに丁寧に対応されている姿が印象的でした。

こうした地道なパトロールや声がけによって、密猟だけでなく、遭難も防ぐことにもつながっていることを知りました。

希少種持ち出しに注意喚起するちらし
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希少種持ち出しに注意喚起するちらし

日本の生物多様性ホットスポットである西表島の自然は、こうした人たちの努力によってまもられている一方で、固有の動植物の一部が密猟・盗掘の対象になっていることが指摘されています。

法令で捕獲・取引が禁止されている種もありますが、規制状況は複雑で、場所によっては取締りが難しい面もあります。

私見では、営利目的の乱獲に対しては法執行を強化するとともに、将来的には、研究目的等の例外的な必要がある場合を除いて、野生の動植物を島外へ持ち出すことを一律に禁止するという規制も必要なのではないかと感じました。

こうした規制の在り方の分析や検討を含めて、密猟・盗掘の問題に対し、現場で取り組む皆さんと力を合わせて、今後も取り組みを進めていきます。

(野生生物グループ 小田倫子)

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自然保護室(野生生物)
小田 倫子

弁護士として10年間稼働後、家族の転勤に伴い沖縄県名護市に居住したことを契機に、自然保護の仕事を志し大学で保全生態学を専攻、2013年WWF入局。法人パートナーシップ担当として生物多様性保全・気候危機対策に関する企業との協働プロジェクトの提案・実施業務を担当後、野生生物グループに異動、今は国内希少種を保全するフィールドプロジェクトを担当。
学士(法学・農学 東京大学)
法学修士(カリフォルニア大学バークレー校)

国内希少種の宝庫である南西諸島で主に活動しています。フィールドで生き物に出会い、その美しさ・不思議さを仲間と分かち合える瞬間が至福の時。趣味は里山散策と水生生物の観察。

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