トラが生き残る森で…歩き続けること30年!
2020/01/28
野生動物の中でも、特に人気の高いトラ!
先日、そんなトラの保全プロジェクト現場のひとつ、タイのケーン・クラチャン国立公園に行ってきました。
隣国ミャンマーの国境沿いにあるこの国立公園では、日本の皆さんのご支援によって、WWFジャパンとWWFタイが、野生動物の調査用自動カメラ(カメラトラップ)を設置、トラやトラの捕食対象となる草食動物の調査を実施しています。
私は今回、そのカメラの設置に同行しました。
「ニーアライカー?!(これ何ですか?!)」
私のどんな質問にも、すぐ答えてくれたのが、この道一筋30年!
レンジャーのスータッさんです。
スータッさんは、このプロジェクトや日々のパトロールのため、チームを引き連れて、森の中のけもの道を一日中歩いています。
植生や野生動物の痕跡を丁寧に記録し、調査もしながら進むため、一日かけて移動できる距離は、約2キロだそう。
そんなスータッさんの、一番好きな動物も、まさにトラ!!
先日も、2頭の野生のトラが、この国立公園内に設置された自動撮影カメラに映っていました。
確認できたトラの姿に喜びもひとしおだったものの、今後のパトロールは、一層気を引き締めて臨まねば、そう感じたそうです。
今後は継続的にトラの調査を続け、個体数や生息域を明らかにし、タイとミャンマー両国での保全計画を策定することを目指しています。
「森で一番怖いものは…?」と伺うと「ポーチャー(密猟者)!」と即答してくださったときは、ドキッとしました。
密猟者に出くわしたときは、全ての荷物をその場に置き捨て、全力疾走して捕まえるそう!そして密猟者から武器や罠を没収し、警察当局に引き渡すのだそうです。
現場での活動は、過酷なものですが、日本からも引き続き応援してゆきたいと思います。
地球から、森がなくなってしまう前に。
森のない世界では、野生動物も人も、暮らしていくことはできません。私たちと一緒に、できることを、今日からはじめてみませんか?