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7/7のチョコレートデイ?に考えたい、森と野生動物のこと


今日は七夕!…ですが、欧米ではチョコレートの日なのだそうです。
雲の向こう、織姫と彦星がチョコを仲良く食べるのを思い浮かべて、今日は少しチョコのお話を。
日本のチョコレート市場はなんと約5,560億円!とアジア最大。
「ハイカカオ」のチョコも増えていますが、私は、どちらかというとミルクチョコレートが好きです。
でも買うとなると少し躊躇してしまいます。
それは口どけが良いミルクチョコレートには、パーム油が使われていることが多いから。
アジアに残る熱帯林は今、パーム油の原料となるアブラヤシの農園開発によって、広く失われているのです。

パーム油生産のため切り拓かれた森。製品の原材料にある「植物油」「植物油脂」「ショートニング」という記述の正体が、実はパーム油です。チョコレートだけでなく、パンやポテトチップスなどにも使われています。
©WWF Indonesia

パーム油生産のため切り拓かれた森。製品の原材料にある「植物油」「植物油脂」「ショートニング」という記述の正体が、実はパーム油です。チョコレートだけでなく、パンやポテトチップスなどにも使われています。

WWFインドネシアのスタッフが見せてくれた熱帯林の写真。森林破壊の現場にはよく出張していますが、こうした豊かな森の姿を見られるのは本当にまれなことです。
©WWF Indonesia

WWFインドネシアのスタッフが見せてくれた熱帯林の写真。森林破壊の現場にはよく出張していますが、こうした豊かな森の姿を見られるのは本当にまれなことです。

でも、パーム油は世界一生産効率の良い植物油でもあります。
他の植物油に切り替えると、さらに広い栽培面積が必要になるので、新たな自然破壊が起きてしまうかもしれません。

1トンの油を搾油するのに必要な栽培面積の違い

1トンの油を搾油するのに必要な栽培面積の違い ©WWF Japan

そこでWWFは、「環境や社会に配慮して生産されたパーム油」を含む製品にラベルが付されるRSPOという認証制度を推進しています。
RSPO認証油の利用は、欧米ではスタンダードになりつつありますが、日本での認知はまだまだ。でも最近は店頭に並ぶ食品にもラベルが付き始めています。

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最近ではカップヌードルにRSPOマークが付き始めました。RSPOの認証マークのついた食品が、今後も増えていくといいなと思います。

その一方でRSPO認証油が使われていても、消費者は知らないのでは?という企業判断でラベルのつかないチョコレートもあります。
パーム油を使ったチョコはたくさんあるので、私は、森や野生動物の命を守って作られた製品を選べたらなと思います。
次にチョコを選ぶときに気になった方は、チョコレートメーカーや小売のSNSなどに、RSPOラベルをつけてほしい気持ちを一緒に届けてもらえたらうれしいです。
大きなチョコレート市場をもつ日本だから、パーム油の問題を解決する大きな影響力を及ぼせるはずです。

スマトラの森に生きるアジアゾウ。熱帯林の消失は、森を生息域として暮らす野生動物の命に直結する問題です。
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スマトラの森に生きるアジアゾウ。熱帯林の消失は、森を生息域として暮らす野生動物の命に直結する問題です。

地球から、森がなくなってしまう前に。

森のない世界では、野生動物も人も、暮らしていくことはできません。私たちと一緒に、できることを、今日からはじめてみませんか?

今日、森林破壊を止めるためにできること

WWFの通販「パンダショップ」

WWFの通販「パンダショップ」では、毎年冬にフェアトレードのチョコレートを販売しています。砂糖からバニラにいたるまですべてフェアトレードにより調達された有機栽培のものを使用。児童労働を禁止し、生産者へ公正な賃金を支払うことで途上国の小規模農家の生活向上を応援しています。これも自然保護と同時に大事な生産の視点です。今年もぜひお買い求めください。

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自然保護室 森林グループ所属
伊藤 小百合

消費者向けのアウトリーチと、フィールドでの活動を発信するコミュニケーションを担当。

ツンドラでの植生調査、在来種の苗木屋さん、科学館職員を経て、このお仕事に就きました。新しく知るだけでは、変えられない世界があるから、誰もができるアクションをおみやげにできるようなコミュニケーションが目標です。

人と自然が調和して
生きられる未来を目指して

WWFは100カ国以上で活動している
環境保全団体です。

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