タイのケーン・クラチャン国立公園で2頭目のトラを確認!
2019/10/18
トラの保護活動を行なっているタイから、嬉しいニュースが届きました!
絶滅寸前のインドシナトラが、タイ最大の自然保護区ケーン・クラチャン国立公園で、今年初めに確認されていた1頭に続き、この夏、2頭目が確認された、というのです。
私たちはWWFタイの仲間たちと一緒に、ここで2018年6月より自動撮影カメラによる調査を実施してきました。
今回の確認は、その調査によるものです。
それにしても、このトラはどこから来たのでしょう?
トラはなわばりを持つ習性があり、なわばりの外へ出ることはあまりありません。
しかし開発などで生息環境が失われたり、親から離れ独立して間もない場合には、新たななわばりを求めて広く移動することがあります。
今回の国立公園は、周囲に農地や住宅などが迫り、トラにとっては移動しにくい場所。
ですが、公園の西端は隣国ミャンマーとの国境に接しており、そちら側にはまだ豊かな森が残っています。
もしかしたら今回のトラは、ミャンマーからやってきたのかもしれません。
そんなわけで、確認された2頭がどうしているかは、以下の3パターンが考えられます。
- 2頭とも一時的に立ち寄っただけ
- どちらかは公園内に留まっている
- 2頭とも留まっている
今のところ正解は分かりませんが、調査を継続し、情報を集めていくことは、次に行なうべき保全活動の大きなヒントになります。
2頭目確認の知らせは、国境にとらわれず、森と森、生息地と生息地のつながりを維持することが、いかに重要かということを思い起こさせてくれる出来事です。
私たちも引き続き、タイからミャンマーに続くメコン地域の貴重な森を、一つの生態系としてとらえ、保全活動を継続していきます。
地球から、森がなくなってしまう前に。
森のない世界では、野生動物も人も、暮らしていくことはできません。私たちと一緒に、できることを、今日からはじめてみませんか?