日本の技術が、水不足に悩む途上国を救う!
2019/09/26
地球温暖化がこのまま進むと、世界各地で深刻な悪影響が及びますが、中でもアジアでは約10億人に達するような人口が水不足にさらされる可能性があります。
特に開発の遅れた途上国では、もともと慢性的に安全な生活水が不足、大きな社会問題となってきました。
そんな中、日本の技術がインドの農村で地下水を浄化し、現地の生活向上に貢献できる!と聞きました。
それはガラスの会社、AGC株式会社(旧社名:旭硝子株式会社)の技術。実はAGCは創業以来、ガラスだけでなく化学品やセラミックスなどの分野でも技術を培ってきました。
その中で、海水濃縮による食塩製造や、各種食品の脱塩をきっかけに始めた水処理技術を、工場の排水処理やリサイクルにも応用。さらにその技術が、地下水の浄化にも使えることがわかったのです。
インドでは気候変動の影響もあり、干ばつや降水量の減少によって地下水位が大幅に低下するだけでなく、国家基準を超える地下水汚染が深刻化しています。
そこで2016年、灌漑設備を小規模農家に提供しているインドの会社からAGCに「硝酸塩や塩分濃度が高い水を浄化したい」と共同事業を持ち掛けられたのだそうです。
当時はまだSDGs(持続可能な開発目標)のような概念はありませんでしたが、現地の会社とのやり取りの中で、技術が現地の生活向上に役立つならば、とこの事業に関する実証調査を開始しました。
「これはCSR(社会貢献)の一環ですか?」と聞いた私に対し、ご担当者は「いいえ、これはSDGsビジネスです」ときっぱり。
本業として取り組む事業が、温暖化に苦しむ国を支え、日本のビジネス機会を拡大していく、これぞ真のSDGsビジネスです!
この取材内容は、「隔月刊 地球温暖化」にて掲載予定のAGC訪問記事後編にて詳しくご紹介しますので、ぜひご覧ください。
(気候変動・エネルギー担当 小西雅子)