カンボジア東部、密猟対策の現場から
2019/01/22
こんにちは。C&M室の小坂&辻です。私達は昨年、カンボジア東部にあるWWFの活動地域を訪れました。
関東一都六県に相当する約3万平方キロメートルのなだらかな景観には、インドシナヒョウ、バンテン、アジアゾウ、ターミンジカといった絶滅危惧種を含む多様な野生動物が生息しています。WWFカンボジアは、ここにある二か所の保護区で政府機関などと共に長年活動しています。
しかし近年この地域では密猟が急増しています。WWFカンボジアはレンジャー(自然保護官)を育成してパトロールしていますが、2016~2017年の一年間に発見した罠は5,500個以上。押収されたブッシュミート(食用に密猟された野生動物の肉)は約400キログラムだったそうです。
増え続ける密猟に対して、対策にあたるレンジャーは不足しています。国際的には100平方キロメートルあたり5名の配置が推奨されていますが、ここでは同面積あたり、平均すると僅か1人以下…。
レンジャーは人気の職業で、募集を出せばたくさん応募があるそうです。しかし、過酷な業務を遂行するためには軍隊並みの訓練に耐えなくてはなりません。誰でもなれるわけではないのです。
WWFカンボジアが運営する養成施設では、訓練を修了したばかりの新人レンジャーたちにお会いすることができました。皆、「野生動物を守りたい」「自然を守りたい」とハキハキと夢を語ってくれました。そして、すぐに現場に飛び出していきました。それだけ現地では人手が足りていないのです。
彼らの負担が少しでも軽くなり、そして何よりも密猟対策が効を奏するように、私達も協力したいと強く感じました。
皆さまにも引き続き、応援していただけると嬉しいです。どうぞよろしくお願いいたします。