乾季のインドネシアで頻発する熱帯林の火災
2018/08/17
【動画】
日本の皆さんこんにちは。
WWFインドネシアのムナです。
今、こちらは乾季。雨の降らない暑い日が続いています。
でも、東京のスタッフから、この夏の日本の暑さ!を聞いて驚きました。
こちらは実際、最高気温が35度を上回るような日はありません。
ですが、快適とは程遠い状況です。
乾季は、国内全域で火災が頻発する時期。
私の住むボルネオ島西カリマンタンにあるポンティアナックの町も、先月からたびたび煙に覆われ、植物が炭化し蓄積した土地「泥炭(ピート)」の燃えるにおいが立ち込めています。
主な原因は、農地を安く切り拓くため行なわれる違法な「野焼き」。
多くが「パーム油(植物油)」を採るアブラヤシを栽培するためのものです。
ポンティアナック近郊では、先月の10日間だけで529カ所もの地点で火災が確認されていました。
特にエルニーニョ現象が起きた年はなかなか火が消えず、2015年には17.5億トンの温室効果ガス(CO2換算)が排出されたと推計されています。
泥炭の火災からは二酸化硫黄や二酸化窒素などを含む有毒な煙も発生。
これは、自然や野生動物はもちろん、社会や経済、健康、地球温暖化にも悪影響を及ぼす大問題です。
火災を防ぐのは容易ではありませんが、私たちは取り組みの一つとして今、環境や社会に配慮して生産された「持続可能」なパーム油の国際認証「RSPO」を推進しています。
この認証の基準では、開発のための火入れを禁止しており、自然や労働環境にも厳しい配慮を求めています。RSPO認証のパーム油を使うことで、誰もが開発や火災から森を守る取り組みを応援できるのです。
最近、日本でも認証を取得する企業が増えていると聞きました。
ぜひ皆さんも、このRSPOのマークを知っていただき、広めてもらえればと思います。
(取材・編成:森林担当 伊藤)