2020年に向けた持続可能な調達コード
2019/05/20
スポーツ大会と持続可能性
2020年に開催される東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会は、国連の「持続可能な開発目標(SDGs)」に貢献することを掲げています。東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会において、2016年から政府や東京都、経済団体、市民社会などの多様なステークホルダーが参画して、東京大会の持続可能性のあり方について検討されてきました。
気候変動、資源管理、大気・水・緑・生物多様性等、人権・労働・公正な事業慣行等、参加・協働、情報発信(エンゲージメント)の5つの主要テーマと目標が掲げられ、「持続可能性に配慮した運営計画第二版」が公表されています。さらにその具体的な方策として、木材、紙、パーム油、水産物、農産物など調達される物品に対する「持続可能性に配慮した調達コード」が定められています。
東京大会の持続可能な取り組みについて
2015年からスタートした「持続可能性」を大会運営に反映する検討は、環境、人権などの面から検討を進め、「持続可能に配慮した運営計画」「持続可能性に配慮した調達コード」を策定しています。
また、持続可能性に配慮した調達コードの不遵守に関する通報を受け付ける通報受付窓口も設置されています。
これらの運営計画及び調達コードは、パーム油など世界で初めて東京大会で策定された調達コードや、ゼロカーボンを目標とする脱炭素の運営計画など、先進的な取り組みもあります。
一方で、現状の木材や紙、パーム油、特に水産の調達コードでは、持続可能性がきちんと担保されない点が多々あります。
東京大会の持続可能性の取り組みを、 気候変動対策(脱炭素)の取り組み、水産物、木材、紙、パーム油の調達方針について、その評価とともに全体像をまとめました。
また、環境に配慮したオリンピックとして知られた2012年のロンドン大会、続く2016年のリオ大会、それに2020年の東京大会の持続可能性の取り組みを比較した表をまとめました。
WWFが考える2019年夏現在の東京大会の持続可能性の取り組みや調達コードについての評価と、本来あるべき「持続可能性に配慮した調達コード」を記します。