発表された2020年東京大会の二酸化炭素排出量
2018/01/26
2年後に迫った、オリンピック・パラリンピック東京大会。
近年の大会はいずれも環境配慮を謳っていますが、東京大会は特に過去最高の持続可能な大会を目指すとしています。
地球温暖化対策は、その大きな柱の一つ。
なぜなら、競技会場など必要なインフラの整備に際し、多くの二酸化炭素が排出されるからです。
そうした中、大会を運営する組織委員会の有識者委員会の一つ「地球温暖化対策を議論する脱炭素ワーキンググループ」が、1月25日、東京大会で見込まれる二酸化炭素の排出量を発表しました。
2015年にスタートしたこのグループの議論では、温暖化防止の目標や、温室効果ガスの削減手段、また太陽光など再生可能な自然エネルギーをどう使うのかなどが話し合われてきました。
そこで必須とされたのが、大会で排出される二酸化炭素の「算定」です。
技術的にも難しく、なかなか数字が出なかったのですが、それがついに発表された形です。
それによると、東京大会の見込み排出量は301万トン。ロンドン大会の345万トンを、約44万トン下回りました。
東京は輸送インフラがもともと整った成熟都市であるため、新たな整備を要したロンドン大会より低い結果となったようです。
さらに会場計画の見直しにより、もう8万トン減る、という見込みも発表されました。
しかし、これはまだスタートライン。
なぜなら、省エネや再生可能エネルギーを最大限導入すれば、さらなる削減が期待できるからです。
オリンピック大会でのこうした社会的な取り組みは、大会後に向けた「レガシー(遺産)」としての価値も持っています。
ここで「持続可能」な未来につながる夢がどれくらい実現できるか。WWFも引き続き注目していきます。(広報担当 三間)