発表された2020年東京大会の二酸化炭素排出量


2年後に迫った、オリンピック・パラリンピック東京大会。

近年の大会はいずれも環境配慮を謳っていますが、東京大会は特に過去最高の持続可能な大会を目指すとしています。

地球温暖化対策は、その大きな柱の一つ。
なぜなら、競技会場など必要なインフラの整備に際し、多くの二酸化炭素が排出されるからです。

そうした中、大会を運営する組織委員会の有識者委員会の一つ「地球温暖化対策を議論する脱炭素ワーキンググループ」が、1月25日、東京大会で見込まれる二酸化炭素の排出量を発表しました。

2015年にスタートしたこのグループの議論では、温暖化防止の目標や、温室効果ガスの削減手段、また太陽光など再生可能な自然エネルギーをどう使うのかなどが話し合われてきました。

そこで必須とされたのが、大会で排出される二酸化炭素の「算定」です。

技術的にも難しく、なかなか数字が出なかったのですが、それがついに発表された形です。

それによると、東京大会の見込み排出量は301万トン。ロンドン大会の345万トンを、約44万トン下回りました。

東京は輸送インフラがもともと整った成熟都市であるため、新たな整備を要したロンドン大会より低い結果となったようです。

さらに会場計画の見直しにより、もう8万トン減る、という見込みも発表されました。

しかし、これはまだスタートライン。

なぜなら、省エネや再生可能エネルギーを最大限導入すれば、さらなる削減が期待できるからです。

オリンピック大会でのこうした社会的な取り組みは、大会後に向けた「レガシー(遺産)」としての価値も持っています。

ここで「持続可能」な未来につながる夢がどれくらい実現できるか。WWFも引き続き注目していきます。(広報担当 三間)

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自然保護室(コンサベーションコミュニケーション グループ長)
三間 淳吉

学士(芸術学)。事務局でのボランティアを経て、1997年から広報スタッフとして活動に参加。国内外の環境問題と、保全活動の動向・変遷を追いつつ、各種出版物、ウェブサイト、SNSなどの編集や制作、運用管理を担当。これまで100種以上の世界の絶滅危惧種について記事を執筆。「人と自然のかかわり方」の探求は、ライフワークの一つ。

虫や鳥、魚たちの姿を追って45年。生きものの魅力に触れたことがきっかけで、気が付けばこの30年は、環境問題を追いかけていました。自然を壊すのは人。守ろうとするのも人。生きものたちの生きざまに学びながら、謙虚な気持ちで自然を未来に引き継いでいきたいと願っています。

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