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南米ペルーの野鳥たち


ナスカの地上絵やマチュピチュ遺跡などの印象が強いペルーですが、シーフードミックス等に使われる冷凍イカの原料や畜産・養殖の餌原料となるカタクチイワシの産地として、日本とも深いかかわりがあります。
WWFジャパンでは、こうした漁業の改善プロジェクトをWWFペルーと協働で行っています。今回は、9月に現地の活動視察をしてきた際に目撃した鳥をご紹介します。

クロコンドル:中南米に分布するコンドルの仲間で、リマ市街地から郊外の砂漠地帯まで広く見かけました。動物の死骸などを主食とするため、頭部の羽毛はありません。日本でのカラスやトビのポジションのようで、ペルー国内でカラスを見ることはありませんでした。

ペルーペリカン:ペルーやチリの沿岸部に生息するペリカンです。ペルー北部の街ピラウで目撃した漁船の上で休むペリカンは印象的な光景でした。飛ぶときは首を折りたたみ独特なフォルムをしています。

アオツラカツオドリ:太平洋の熱帯域に広く分布するカツオドリで、日本でも稀に観察されます。カツオなどの魚の群れの上空で多くみられることから、この名前が付いたそうです。近縁種の足の赤いアカアシカツオドリは、アウトドアメーカーCHUMSのマスコットになっています。

オオグンカンドリ:成鳥は喉を残して全身黒くなります。繁殖期になると雄はこの赤い喉袋を膨らませて求愛ダンスをすることで知られています。海上を生活の場としていますが、泳ぎは下手なため、ほかの水鳥を襲って魚を奪います。黒い姿と相まって軍艦の名前の由来ともなっています。

インカアジサシ:南米の太平洋沿岸に生息するカモメの仲間です。日本にもアジサシと名の付く鳥はいくつかいますが、ほぼ全身白色です。インカアジサシは成長すると全身黒くそして白い髭のような羽が生えるのが特徴です。日本でもいくつかの動物園で飼育されているようです。

こうした水鳥たちの存在は、私たちが保全に取り組むペルーの海の豊かさの証でもあります。
以上、ペルーで見かけた野鳥5種の紹介でした。

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自然保護室(海洋水産 グループ長)
前川 聡

修士(動物学・北海道大学)
渡り性水鳥の全国調査および国際保全プログラムのコーディネーター業務、WWFサンゴ礁保護研究センター(沖縄県石垣島)での住民参加型の環境調査および普及啓発業務、海洋保護区の設定および管理状況の評価業務等に従事後、2011年より東日本大震災復興支援プロジェクトと水産エコラベルの普及および取得支援に携わる。養殖業成長産業化推進協議会委員。

日本各地の漁師町を訪ねては、持続的な養殖や漁業の推進のために関係者の方々と話し合いをしています。道すがら、普段はなかなか見ることができない風景や鳥を見つけては、一人ほくそえんでいます。もちろん、新鮮な魚介とお酒も! 健康診断の数値が気になるAround Fifty

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