©WWF-Malaysia Eric Madeja

海の無い国スイスでの海洋保全!


自然保護室の滝本です。
「ワシントン条約」の国際会議に参加するためスイスに行ってきました。

その会議の合間。買い物に行ったスーパー「コープ」で、私はあるものを発見しました。

青色のMSC認証のラベルと、緑色のASC認証のラベルが付けられた、たくさんの魚の缶詰やツナサンドなどです。

コープはスイスで国内第2位の規模を誇る小売企業。たくさんの認証製品を取り扱っていました。

MSCとASC、この2つの「海のエコラベル」は、海の自然環境や水産資源を守って獲られた水産物に与えられる、国際的な認証エコラベル。

どの国の消費者でも、このマークの付いた水産物を選べば、世界の海を保全する取組みを応援できる仕組みです。
最近は日本でも見かけることが多くなりましたが、スイスのコープで出会った認証製品の品揃えの豊富さにはビックリ!

鮮魚、そして、なんとキャットフードにも、MSC認証マークが付いていました!

キャットフードにも。さすがに日本では見たことがありません

MSC認証のツナサンド

こうした日本とスイスの流通の差は、それぞれの国での認証制度の広がりに関係があるようです。

2018年7月時点で、MSCの認証製品と、認証されていない製品と区別して扱う資格を持つ、加工や小売りの企業が取得するCoC認証をとった企業の数は、日本の166に対し、ヨーロッパでは2,206。

実際、私が行ったスイスのお店でも、「提供しているシーフードは、100%持続可能な供給源から提供されています」と明示されており、認証製品が、消費者により身近であることが感じられました。

© Daniel Versteeg / WWF

スイスのような海の無い国でも、海の恵みである水産資源に配慮したお買い物ができることは、本当に素晴らしいことです。

日本でも、確実に「海の環境に配慮した漁業」への関心が高まっています。こうした漁業を応援するために、皆さんもぜひ、お近くのスーパーでMSCラベルのついた水産物を見つけたら、選んでみてください。

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自然保護室(海洋水産)
滝本 麻耶

デンマーク オーフス大学政治学科留学、慶應義塾大学法学部政治学科卒(法学士)、ドイツ アルベルト・ルートヴィヒ大学フライブルク大学院環境ガバナンス修士号取得。
大学・大学院にて、環境政策・環境ガバナンスについて学び、編集者、環境コンサルタントを経て、サイエンス・コミュニケーションの経験を積む。2017年WWFジャパンに入局。海洋水産グループにおいて、海洋環境保全や水産資源保護に向けて、消費の側面にフォーカスしたパブリックアウトリーチの取組みを行っている。

子どもの頃、ケージ飼いの養鶏場を見たことがきっかけで、自分が食べるもののこと、そして、自分がどんな世界・社会で生きたいんだろうと考え始め、環境哲学、環境政策、政治のことを学びました。大事にしているのは、大きく早く多くなるだけでなく、小さく遅く少なくなる「発展」もあるという考え方。この考え方をベースに、自分が生きたい環境がなくなってしまわないよう、頑張ります。

人と自然が調和して
生きられる未来を目指して

WWFは100カ国以上で活動している
環境保全団体です。

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