©Alexis Rosenfeld

国内大学の学食で初めてのサスシー提供開始!


「サスシー」って何?と思われた方もいらっしゃるかもしれません。「サスシー」とは「サステナブル・シーフード」の略。「サステナブル・シーフード」とは、水産資源の獲りすぎに注意し、海の環境を守って獲られた水産物や環境と社会への影響を最小限に抑えた養殖場で育てられた水産物のことをいいます。

この「サステナブル・シーフード」のメニューの提供が、5月9日、国内の大学では初めて、横浜市立大学の学食で開始されました。

©Maya Takimoto/ WWFJapan

2年がかりで実現した、学食への「サステナブル・シーフード」導入。学生さんの熱い思いが、大学、大学生協を動かし、実現に至りました。

これは、学生団体「TEHs」(テフズ)の「サスシープロジェクト」メンバー発の取組みが実現したものです。

TEHsは、SDGsの認知度が低いことや、SDGs達成の貢献のために、実際に何をするべきかわからない人が多いことへの問題意識から、実際に行動を起こすことのできるしくみや環境づくりをしようと設立された学生団体です。

そのひとつが、この「サスシープロジェクト」。企画書作成に1年、そして関係者を説得、巻き込んでいく過程に1年と、2年間をかけて、SDGs達成に貢献できるひとつのしくみを実現させました。

©Maya Takimoto/WWF Japan

今月の提供メニューは、MSCマツイカ・MSCブルーホワイティング・ASCバナメイエビの「サスシーミックスフライ丼」とMSCスケソウダラを使った「サスシーちくわサラダ」。学生の皆さんが、大学生協と試作を繰り返してメニュー決定したそうです。

サスシー学食で貢献できるSDGs目標は、12番「使う責任」と14番「海を守る」です。

©Maya Takimoto/ WWFJapan

より広くこの動きが広まるように、SNSや学食の場でのポップや資料配布など、呼びかけも積極的に行っていました。学内の友人からも、「サスシーみたよ」「サスシー丼食べたよ」という反応が増えてきてい
るとのことです。

©Maya Takimoto / WWF Japan

レシートにも「サステナブル・シーフード」の文字が!スーパーやレストランにもこうした輪が広がることを願います。

若い力が、大きな一歩を生み出したこのサスシー学食プロジェクト。学生さん達の熱い思いが、「サステナブル・シーフード」が日本のスーパーや飲食店でさらに普及することを目指して活動を続けている私にとって、とても心強く、胸が熱くなりました。

この日本発の動きが継続すること、そしてさらに他の大学の学食へと広がること、それを応援しつつ、皆さんも、今日の買い物やお食事から、「今日、サスシーにしない?」とご家族やご友人を誘って、「サスシー」を探しにいってみるのはいかがでしょうか。
(自然保護室滝本)

消費者の視点で海の資源を考える「おさかなハンドブック」

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自然保護室(海洋水産)
滝本 麻耶

デンマーク オーフス大学政治学科留学、慶應義塾大学法学部政治学科卒(法学士)、ドイツ アルベルト・ルートヴィヒ大学フライブルク大学院環境ガバナンス修士号取得。
大学・大学院にて、環境政策・環境ガバナンスについて学び、編集者、環境コンサルタントを経て、サイエンス・コミュニケーションの経験を積む。2017年WWFジャパンに入局。海洋水産グループにおいて、海洋環境保全や水産資源保護に向けて、消費の側面にフォーカスしたパブリックアウトリーチの取組みを行っている。

子どもの頃、ケージ飼いの養鶏場を見たことがきっかけで、自分が食べるもののこと、そして、自分がどんな世界・社会で生きたいんだろうと考え始め、環境哲学、環境政策、政治のことを学びました。大事にしているのは、大きく早く多くなるだけでなく、小さく遅く少なくなる「発展」もあるという考え方。この考え方をベースに、自分が生きたい環境がなくなってしまわないよう、頑張ります。

人と自然が調和して
生きられる未来を目指して

WWFは100カ国以上で活動している
環境保全団体です。

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