アフリカの大河ナイルの源へ
2023/06/02
ダルエスサラームに向かう飛行機。その窓から見下ろすアフリカの大地を、それまで一つも無かった雲が突然、厚く覆い始めます。
時は5月半ば、雨期のケニアに入ったのです。
こうも気候が違うのか。
そう思いつつ、後方に目をやると、その雲の海に、島のような高い台地が浮かんでいるのが見えました。
エチオピア高原です。
標高は約2,000~3,000m。
先刻飛び立った、アディスアベバの空港と町も、あの上にあります。
残念ながら、アディスアベバは今回、タンザニアのダルエスサラームに向かう空路の中継地として立ち寄っただけ。空港からも出られませんでした。
しかし、あのエチオピア高原には、世界であの場所にしか生息していない、希少な野生の生きものたちが数多く息づいています。
乾燥した高地、緑は乏しく見えるけれども、豊かな自然。
そして、標高4,000mを楽に超える山の峰々。
同じアフリカでも、ケニアやタンザニアとは異なった、生物多様性の広がる世界です。
もう一つ、このエチオピア高原で特筆するべきは、ここが大河ナイルの重要な源流の一つになっていること。
ナイル川は、青ナイルと白ナイルと呼ばれる2つの大きな本流を持ち、それがスーダンの首都ハルツームで合流し、地中海にそそぎます。
その青ナイルの源が、エチオピア高原なのです。
そして、この時に向かっていたのは、もう一つの流れ、白ナイルの源流である、アフリカ大地溝帯の湖沼群が待つ東アフリカの大地。
大陸を割り、大地溝帯を生み出した、大自然の力が形作る壮大な景観が、私たちWWFがアフリカゾウの保全に取り組むフィールドです。
この命豊かな大地の姿と、私たちが新たに日本から支援を届けることになったWWFタンザニアが取り組む活動を、これから皆さんにお伝えしていきたいと思います。