猫の日にレッドリストを見てみよう!
2023/02/22
日本では、2月22日は、猫の日。
WWFジャパンにも愛猫家がたくさんいて、大いに盛り上がっています!
今日は、我が家のかわいいハチワレ猫ではなく、野生に暮らすネコ科動物の話をしたいと思います。
レッドリストという名前を聞いたことがあるでしょうか?絶滅のおそれの高い生きものが掲載されているリストです。国際機関、環境省や地方自治体が発行しています。
もっとも有名で広く用いられているのが、国際自然保護連合(IUCN)作成のレッドリストです。世界中の野生生物15万種以上が掲載されています。

ユキヒョウ(Panthera uncia)
WWFジャパンで、一昨年から支援を開始した海外プロジェクトの象徴種であるユキヒョウも、個体数が減少傾向にある絶滅危機種のネコ科動物です。
このレッドリストに家畜化されたイエネコは載っていませんが、世界最小の猫と言われるクロアシネコから最大サイズのトラまで、ネコ科動物39種が掲載されています。
そして、39種のうち、なんと7割以上の種で個体数が減少していて、半数に近い18種が絶滅危機種…。猫好きには、ショックな状況です。
これらネコ科動物の絶滅のおそれが高まっている理由は、世界的な課題である気候変動をはじめ、開発による生息地の劣化・分断、毛皮や肉・骨を目的とした密猟など様々です。
意外に思われるかもしれませんが、チーターやボルネオヤマネコなどは、ペット利用目的の捕獲も絶滅のおそれを高める脅威の一つに挙げられています。


チーター(Acinonyx jubatus)が曝されている様々な「脅威」(IUCNレッドリストより)
左上から右へ、住宅・商業開発、農業・養殖業、エネルギー生産・鉱業、輸送・道路、生物資源利用、人の侵入・破壊、自然改変、侵略的生物・遺伝子・病気、気候変動・異常気象。
「生物資源利用」に皮やペット利用目的の捕獲が含まれます。
出典:https://www.iucnredlist.org/species/219/124366642
膝で丸くなる猫をなでるのは最高の癒しですが、同じことをチーターやヤマネコにしたいと思うのは間違いです。何千年も人と共に生きてきたイエネコと野生のネコ科動物は、まったく別の生きもの。人の所有欲が美しい野生動物をこれ以上の脅威に晒すことのないようにしなければ!とレッドリストを見て改めて思いました(野生生物グループ 若尾)。