オガサワラカワラヒワを絶滅させない!
2020/12/15
「オガサワラシジミ絶滅か!」というショッキングなニュースを覚えておいでの方も多いと思います。
世界自然遺産の地、小笠原諸島で、また固有種が絶滅の淵に立たされています。
それは、島でくざいもん(標準和名:オガサワラカワラヒワ)と呼ばれる小さな野鳥です。
最新の調査の結果、オガサワラカワラヒワの成鳥はわずか200羽しかおらず、このまま何もしなければ30年後に絶滅してしまう可能性が高いことが分かりました。
大きな脅威となっているのは、人が持ち込んだ外来生物。クマネズミやドブネズミが巣を荒らし、ノネコが地面でエサを啄む若鳥を襲うのです。
残されたわずかな時間で何ができるのか?地元NPO・アイランズケアと小笠原自然文化研究所を中心に、研究者や島の人々が真剣に取り組んでいます。
11月には、島民向けに研究者からオガサワラカワラヒワの現状についての講演が行われました。現在はクマネズミが生息していない母島周囲の5島と南硫黄島でしか繁殖していないこと、ハハジマメグロよりヤンバルクイナよりずっと生息数が少ないことなどが説明されました。
12月19日に専門家、行政、島民やNPOなど関係者が参加して、この固有種をどのように保全していくべきか考え、計画をつくるPHVA*ワークショップが開催されます。来月には島外からのオンライン参加も可能な関連イベントも開催されます。
*PHVA:Population and Habitat Viability Assessment(個体群と生息地の存続可能性評価)
オガサワラカワラヒワ保全計画作りワークショップ
オガサワラカワラヒワが絶滅するということは、ただ小さな鳥が200羽いなくなるだけではありません。世界からこの種が完全に失われることを意味します。鶸色の翼を持つこの可憐な鳥をぜったいに絶滅させたくありません(淡水・教育・PSP室 若尾)。