「メダカ捕ったど~!」ってカダヤシだからっ!!
2019/11/25
10年ほど前、久しぶりに田舎の実家に帰り、田んぼに遊びに行った際、水路をのぞいてみると、そこには小魚の群れが。
メダカだっ!
急いで網ですくい、バケツに入れました。
まだここにもメダカが残っていたんだぁー、嬉しいなぁーと虫かごに移して横から覗いてみると、、、あれ!?なんかおかしい。
よく見てみると、尻びれや尾びれの形が違う。ひょっとして、カダヤシ!?
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写真や図とは異なり、実物だとメダカとカダヤシの違いは、凝視しないとなかなかわかりづらいです。ちなみにこれはすべてカダヤシ。
図鑑では見かけていたカダヤシ。その名の通り「蚊絶やし」のため、およそ100年前に日本に移入された外来種が、我が田舎にもやってきていたのです。(子供の頃はいなかったのに)
ちなみにカダヤシは、熱帯魚のグッピーと同様、卵ではなく仔魚を産出するため、水草などがないコンクリート製水路でも増えることができます。
しかも、産仔期間は3~10月!
加えて、比較的汚れた環境に強いときた!!
そりゃぁ増えちゃいますよね。
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カダヤシ
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メダカ(ミナミメダカ)
こうして並べてみると、違いがよくわかると思います(特に尻びれの形)。
そして厄介なことに、カダヤシは攻撃性が強く、メダカの仔魚や稚魚を捕食してしまうため、メダカの減少にもつながっています(メダカは絶滅危惧II類に選定されています)。
このような理由から、特定外来生物に指定されているので、生きたまま持ち出しは法律で禁止されています。ご注意を。
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私の田舎の田んぼ。今年も調査してみましたが、メダカは発見できず。カダヤシばかりで残念です。
私のおすすめは、ポケット図鑑(分類表)を持ち歩くこと。その場で種判別できるのでとても便利です。
ポケット図鑑日本の淡水魚258|文一総合出版
山溪ハンディ図鑑日本の淡水魚|山と溪谷社
また近年は、持ち運びに便利なハンドブックなども沢山販売されているので、フィールドでは大変ありがたいです(マニアックなものもあり楽しいです)。
文一総合出版の商品一覧
みなさまも、田んぼなどの身近な自然に赴き、生き物観察をしてみてはいかがでしょうか。何か発見や驚きがあるかもしれません。(海洋水産グループ 植松周平)