遺伝子から米が好き!
2019/10/28
「ご飯党ではありませんか?」
はい、そうです。私は、完全なご飯党です。
先日、某社のテストキットで遺伝子検査をしてみました。目的はルーツ探し。
あっという間にこんがり日焼けする肌と海にいつまでも浮いていられる体質から、てっきり南の方から船でやってきた海の民が祖先かと思っていましたが、あにはからんや、私のご先祖さまは、中国中部を起源とし、弥生時代に日本へやって来た「稲作の民」。
そう、私は、遺伝子から米が好き。おそるべし二重らせん!
この遺伝子検査では、ミトコンドリアハプログループ毎に母方の祖先の特徴を示します。ミトコンドリアは、エネルギー生産を担う細胞内小器官で、核とは別の、母系遺伝するDNAを持っています。このDNAの一塩基多型(SNP)でグルーピングをするという手法です。
同じSNP解析でお米の遺伝子を調べた研究※があります。人気の品種であるコシヒカリの全塩基配列を明らかにし、他の多くの品種がコシヒカリと共通の遺伝子を持っていることがわかりました。すなわち、品種改良の結果、日本で作られているコメの遺伝的多様性はだんだん減少しているということです。遺伝的多様性が減少すると、気候の変動や病気の蔓延など外部環境の変化に対応できなくなる可能性が高くなります。
生物多様性も同じです。生物多様性は、長い歴史の中で育まれた生命のつながり。つながりが弱くなれば、支え合っていたすべてが壊れてしまうことも…。
コメがつくられる田んぼは、とても生物多様性の高い場所でもあります。稲作も生きものの暮らしもずっと続いてほしい。全国のご飯党のみなさん、水田プロジェクトをどうぞ応援してください(C&M室 若尾)。
※山本敏央ら, 「コシヒカリ」の全ゲノム塩基配列解読 : 日本のおコメの起源と変遷が明らかに, 農林水産技術研究ジャーナル 34(4), 35-39, 2011-04-01
https://www.naro.affrc.go.jp/archive/nias/press/20100524/ref.pdf