海で起きていることと自分 「海の日」に寄せて
2019/07/15
今日7月15日は、海に囲まれた日本ならではの「海の恵み」に感謝する祝日、海の日です。
海の恵み、といえば魚や貝などのシーフード(水産物)。でも最近、ウナギやマグロなどが大きく減っているニュースがよく聞かれます。
FAO(国連食糧農業機関)の「2018年世界漁業・養殖業白書」によると、水産資源として利用する魚などのうち、33.1%が「取りすぎ」の状態。この45年で、なんと3倍以上に増えました。
魚や貝などは、生き物ですから増える力があります。
でも、それを上回る量と速さで獲ってしまったら、その「恵み」は尽きてしまうでしょう。
実際、漁業のルールを守らず、違法・無報告・無規制に資源を奪う「IUU漁業」は今も世界中で横行しています。
そうして獲られた水産物は、日本のお店でも売られている可能性があるのです。
他にも、海中をただよい、世界中の海岸を汚染している、プラスチックごみの問題や、観光などによる貴重なサンゴ礁の破壊など、海を脅かす問題は尽きません。
そしてそれらの全てが、私たちヒトの暮らしと、確かにかかわっています。
来年の海の日は、2020東京大会の開会式の前日。
この大会では、海の環境や生態系、資源に配慮した魚や貝などを、世界中の人たちに提供することを謳っています。
その1年後に向けて、今年の「海の日」である今日から、海の自然と自分が、どのようにながっているのか、ぜひ考えてみていただければと思います。(自然保護室 滝本)