ご協力ありがとうございました!南三陸戸倉っこかき応援プロジェクト


東日本大震災から5年後の2016年3月。
宮城県漁協志津川支所の戸倉かき生産部会が、日本初となるASC認証を取得しました。

ASC認証とは、自然環境と労働者の人権等に配慮した水産物の養殖場だけが取得できる国際認証。

「ASC認証」のラベルは、自然環境や労働者・地域社会に配慮した養殖業で育てられた水産物にのみ付けられる、国際基準のエコラベルです。

戸倉で被災した、カキ養殖業者を手掛ける皆さんは、一致団結して取り組んだ震災復興を通じ、海にやさしく、そして世界でもっとも厳しい、信頼性の高い認証を取得したのです。

しかし、この認証を継続するには、定期的な審査を受け、改善作業を行なう必要があります。

そのための費用負担は決して小さいものではなく、これが認証の取得や継続の障害になることもしばしばあります。

戸倉のカキ
©WWFジャパン

戸倉のカキ

そこで今年1月15日から3月末まで、私たちは地元の生産者・加工業者と共同で、クラウドファンディングによる「南三陸戸倉っこかき応援プロジェクト」を実施。

戸倉の皆さんの震災後の挑戦と、ASC認証カキにまつわるストーリーを、多くの人に伝え、応援団になっていただく取り組みを行ないました。

そして、この結果、開始からの2か月半に、3,761人の方から2,130,999円ものご寄付をいただくことができました。この場をお借りし、改めて感謝を申し上げます。

いただいたご寄付は先月末に戸倉かき生産部会に送金し、また一部をWWFの持続可能な水産物の推進活動に使わせていただく予定です。

なお、この戸倉かき部会の一連の取り組みは、今年2月に開催された第24回全国青年・女性漁業者交流大会での農林水産大臣賞の受賞をはじめ、各方面から高い評価を得てきました。

私たちも今回の応援プロジェクトで得た知見を活かし、関係者とも協議を進めながら、引き続き地元の活動をサポートし、認証を継続できる仕組みを構築していきたいと思います。

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自然保護室(海洋水産 グループ長)
前川 聡

修士(動物学・北海道大学)
渡り性水鳥の全国調査および国際保全プログラムのコーディネーター業務、WWFサンゴ礁保護研究センター(沖縄県石垣島)での住民参加型の環境調査および普及啓発業務、海洋保護区の設定および管理状況の評価業務等に従事後、2011年より東日本大震災復興支援プロジェクトと水産エコラベルの普及および取得支援に携わる。養殖業成長産業化推進協議会委員。

日本各地の漁師町を訪ねては、持続的な養殖や漁業の推進のために関係者の方々と話し合いをしています。道すがら、普段はなかなか見ることができない風景や鳥を見つけては、一人ほくそえんでいます。もちろん、新鮮な魚介とお酒も! 健康診断の数値が気になるAround Fifty

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