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「電力が足りないときはどうする?需要側でも対応できる!」[グローバルエンジニアリング前編]


2022年は、電力が足りないというニュースが大きく取りざたされた年でした。3月には、季節外れの寒波に地震による火力発電所の停止が重なり、6月には、今度は季節外れの猛暑により、電力需給がひっ迫しました。また2023年にかけてのこの冬にも再び節電要請が出されています。

これだけ電力が足りないと聞くと不安になるのも無理はありませんが、ここでまた火力発電所を新しく建設しなければ、というのは早計です!日本の電力は今でもまだガスや石炭などの火力発電が7割を占めています。ここでまた火力発電所などを建設して、もっと温暖化が進んでしまえば、さらに異常気象が増えてしまいます。脱炭素化が世界の潮流である中、日本だけ脱炭素化の道から外れていくリスクもあります。

ではどうすればよいのか?実はよく電力需給ひっ迫の要因を見ていくと、電力が足りなくなるのは、日数も時間も限られているのです。その時だけ、普段使っていない自家用の発電設備を焚きまししてもらったり、逆にたくさん電気を使う事業者に、足りない時間帯だけ電気を使わないようにしてもらったりすることで対応できるのです。これを需要側で対応する、という意味で、ディマンドリスポンス(DR)と言います。

実は、資源エネルギー庁の資料によると1000kW以上の自家発電設備を持つ事業者は全国に5860カ所、さまざまな事業体が合わせて2900万kWも自家発電を持っています。これ等の中には普段はあまり使われていないものも多くあるそうです。しかし普段使っていない発電機をその時だけ動かしてもらう、というのは所有者にはハードルが高い。そこでそれらの所有者などをまとめて、電力会社との間に立って、要請されたときだけ自家発を焚き増してもらう、そういう仲を取り持つ人が必要です。それを実施するのが、電力アグリゲーター(まとめる、という意味)と呼ばれる職種です。

風力や太陽光などに再エネが多く入っている国では、すでに当たり前の職種、アグリゲーター。
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風力や太陽光などに再エネが多く入っている国では、すでに当たり前の職種、アグリゲーター。

実はこのアグリゲーターは、風力や太陽光などに再エネが多く入っている国では、すでに当たり前の職種です。なぜならば、電気は需要と供給を合わさなければ停電してしまうので、天気によって変動する風力や太陽光の発電量によって、需要の方を調整することは、再エネ大量導入された国々では必然だからです。再エネの大量導入を前に過渡期の日本では、今新規に火力発電所を建てるのは本当に無駄です。過渡期には今ある既存の設備を最大限に使って乗り切ることが肝心です!

日本でもこのアグレゲーターは活躍し始めています!その草分けの会社「グローバルエンジニアリング」を訪問して、お話を聞いてきました。なかなか国内で浸透しなかったそうですが、電力需給ひっ迫に効果を発揮する、ということで注目を浴びてきているとか。再エネ時代の大きな立役者のディマンドリスポンス、詳しくはこちらの記事をぜひご覧ください。

株式会社グローバルエンジニアリング様 取材風景

株式会社グローバルエンジニアリング様 取材風景

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専門ディレクター(環境・エネルギー)
小西 雅子

博士(公共政策学・法政大)。米ハーバード大修士課程修了。気象予報士。昭和女子大学特命教授、京都大学院特任教授兼務。
中部日本放送アナウンサーなどを経て、2005 年に国際 NGO の WWF ジャパンへ。専門は国連における気候変動国際交渉及び国内外の環境・エネルギー政策。2002 年国際気象フェスティバル「気象キャスターグランプリ」受賞。環境省中央環境審議会委員なども務めている。著書『地球温暖化を解決したい―エネルギーをどう選ぶ?』(岩波書店 2021)など多数。

世界197か国が温暖化対策を実施する!と決意して2015年に国連で合意された「パリ協定」の成立には感動しました!今や温暖化対策の担い手は各国政府だけではなく、企業や自治体・投資家・それに市民です。「変わる世の中」を応援することが好きな小西です♪

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