【COP27】生物多様性デー:気候危機と生物多様性減少の同時解決に向けて
2022/11/17
エジプト・シャルムエルシェイクの国連気候変動会議COP27会場より、気候・エネルギーグループの山岸です。
今日は「生物多様性デー」ということで、気候変動問題と生物多様性減少問題の両方に関連するイベントがたくさん開催されました。
今回のCOP27は、気候変動枠組条約の締約国会議であるCOP(Conference of the Parties)ですが、来月12月には、カナダのモントリオールで生物多様性条約の締約国会議であるCOP15が開催予定で、ポスト2020生物多様性枠組という国際枠組みが合意予定です。
同枠組は「生物多様性版のパリ協定」と呼ばれるように、2030年までの国際目標に合意する予定で、中でもカギになるのが「ネイチャー・ポジティブ」、つまり、減少し続けている生物多様性の傾向を反転し、2030年までに回復・増加させていくという目標です。
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WWFはこの生物多様性デーに合わせて、IPCC第6次評価報告書の知見から、気候変動と生物多様性の関係を整理した報告書『気候の隠れた協力者(Climate’s Secret Ally)』を発表しました。
こうした連続COP開催という背景もあり、気候変動と生物多様性の同時解決については、機運が大きく高まっています。
会場に来ている人たちを見ても、森林生態系保全、海洋保全、淡水生態系保全分野など、様々な団体が来ており、気候変動のCOPはもはや、気候変動の専門家だけの会議ではない、という印象が強くなってきました。
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COP27会場で、世界のリーダーに気候変動の現状を伝える人々。森林減少など気候変動と生物多様性が重複した問題を訴える人が多い
交渉においても、COP全体に関するカバー決定と呼ばれる文書では、生物多様性分野について言及するか、するとしたらどのような文言になるかが交渉されており、来月の生物多様性のCOP15に向けて、後押しとなるような成果が出るのか、注視していきたいと思います。