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中高生向けエネルギーワークショップ2023開催報告

この記事のポイント
WWFジャパンは次世代を担う若い世代を対象に2019年より体験型ワークショップ「選ぶ!私たちの未来とエネルギー」を実施してきました。2023年度は10月、11月、12月の計3回開催し、全国から計50名の中高生が参加。COPなどの国際会議でも重要となる「交渉」を体験し、ほかの人の意見を傾聴する姿勢を今後の生活に活かしていきたいという感想などが参加者らから寄せられました。
目次

受付開始

参加者たちが東京・品川の会場に集まり始めます。
受付を済ませた参加者は、会場の席に案内されますが、はじめはどことなく落ち着かない様子…。

それもそのはず、友人同士での参加を除けば、初対面の人と机を囲むことになります。

学年は中学1年生から高校3年生と幅広く、住んでいる地域も東北・関東・中部・関西・四国・九州とバラバラです。

それでも、ワークショップが始まる頃には、「どこから来たの?」「どうしてワークショップに参加しようと思ったの?」などの質問を皮切りに、自然と打ち解けていく姿にスタッフたちも感心していました。

ワークショップ開始~前半「レクチャーパート」

参加者が集まったら、ワークショップの開始です。

まずは、WWFジャパンの専門家から地球温暖化の現状などについてレクチャーを受けます。

2023年12月の開催回では、その週に閉幕したばかりの温暖化に関する国際会議COP28(国連気候変動枠組条約第28回締約国会議)での成果についても共有されました。

まさに、気候変動に関する世界の動きのホットトピックスに参加者たちも興味津々です。

COP28の結果に聞き入る参加者たち。レクチャーパートの講師はWWFジャパンが務める
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COP28の結果に聞き入る参加者たち。レクチャーパートの講師はWWFジャパンが務める

その後、参加者たちは、地球温暖化対策の鍵をにぎるエネルギーの選択を考える上で必要な、再生可能エネルギーや化石燃料といった各エネルギー源の特徴についてレクチャーを受け、自身が理想とする各エネルギー源の割合「2030年のエネルギーミックス」を考えていきました。

いよいよ、後半「交渉パート」へ

休憩を挟み、いよいよ交渉パートです。

目指すエネルギーミックスの割合が近い参加者同士でグループを作り、まずは、そのグループとしての理想のエネルギーミックスを話し合いで決めていきます。

話し合う中で、「実は、割合の根拠となる考え方がちがった」など、目指す割合は近いものの、すり合わせに苦労している様子も見受けられました。

異なるエネルギーミックスの割合を持つグループとの交渉のため自身のグループの主張をまとめる参加者たち
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異なるエネルギーミックスの割合を持つグループとの交渉のため自身のグループの主張をまとめる参加者たち

続いて、主張の異なるグループとの交渉を実施。
中には、2グループとも「環境に配慮した社会」を目指しているのに、エネルギーミックスの割合が全くちがうという交渉チームもありました。

2グループの考えを紐解いていくと、1グループはとにかく二酸化炭素の排出量を減らすことにこだわっているため原子力発電の割合を多めに設定しているとのこと。

もう一方のグループは、二酸化炭素だけでなく、原子力発電に伴い排出される核廃棄物も含めて環境に配慮したエネルギー割合にしたいとのことで互いに譲れぬ状況に。

文字面では同じ未来像を描いていても、意見の合致は決して一筋縄ではいかず、交渉の難しさを体感してくれたようでした。

交渉体験は相手の意見を聞けば聞くほど考えが深まってくるとの感想も
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交渉体験は相手の意見を聞けば聞くほど考えが深まってくるとの感想も

ふりかえり~未来に向けて

最後に、参加者の皆さんには、レクチャー、ワークショップで学んだことや体験したことから、未来に向けて、自分自身が意識したいこと、行動したいことをふりかえり、宣言してもらいました。

参加者が残した「未来に向けての宣言」がホワイトボードに並ぶ
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参加者が残した「未来に向けての宣言」がホワイトボードに並ぶ

  • エネルギーは温暖化だけでなくすべてのものづくりや社会の在り方に関わることがわかったので、ニュースに関心を持つようにする!
  • エネルギー以外のトピックでもほかの人の意見に耳を傾けるようにする
  • 大学で再エネについて学ぶ!
  • 自分の使うエネルギーに責任を持つ

など…

3時間のワークショップで、「得られたことが多すぎて頭がいっぱいになった」「濃い時間だった」と感想を述べた参加者も多く、最後に想いを1つの宣言にまとめるのは大変ですが、参加者ひとりひとりが真剣に、ていねいにワークショップを振り返りながら言葉を紡いでくれている様子が印象的でした。

これらの宣言が、ワークショップに参加したことで得られる最大のお土産となったことを願いつつ、WWFジャパンはこれからも若者たちが担う次世代に豊かな自然環境を繋いでいくため、さまざまな活動に取り組んでいきます。

※なお、本プログラムは上田記念財団の御支援を受けて、実施いたしました。また、本ワークショップで使う動画やワークシート、実施者向けインストラクションガイド等は、学校等でも自主的に開催ができるよう、WWFのウェブサイトで公開しています。ぜひ、下記ページをご覧ください。

気候変動・エネルギー問題を議論する!中高校生向けワークショップ「選ぶ!私たちの未来とエネルギー」【情報・資料の提供ページ】

開催概要:気候変動・エネルギー問題を議論する!中高校生向けワークショップ「選ぶ!私たちの未来とエネルギー」

日時:2023年10月21日(土)、2023年11月25日(土)、2023年12月16日(土) いずれも 13:00〜16:00
場所:CO☆PIT(東京都港区港南 2-14-14 品川インターシティフロント 6階)
参加者数:それぞれ16名、17名、17名
主催 :WWFジャパン

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