COP27が開幕しました
2022/11/07
11月6日、紅海に面したエジプト東部の観光地、シャルムエルシェイクで、国連気候変動枠組条約第27回締約国会議(COP27)が開幕しました。
COP27の最大のテーマは、気候変動対策をしても防ぐことができない「損失と損害」に対する資金支援、もうひとつはCOP26で合意した「1.5℃目標」を達成するための削減目標の強化です。初日の今日、前者について大きな前進がありました。
2022年は世界で災害が頻発しました。ヨーロッパでは記録的な熱波に見舞われ、アメリカや中米ではハリケーンによる被害を受けました。大洪水に襲われたパキスタンでは、国土の3分の1が水没し、3,300万人以上が被災しました。
開催地のアフリカでは、気候変動の原因となる温室効果ガスの排出量が最も少ないにもかかわらず、最も大きな影響を受けています。国連によれば、今年だけでも、ナイジェリアをはじめとする西アフリカから中央アフリカにかけての国々は大洪水に襲われ、340万人以上が被災しました。一方、エチオピアやケニアなどの東アフリカでは、3年にわたる干ばつで670万人が飢餓に苦しんでいます。
アフリカの大地で開催される「アフリカCOP」と呼ばれるこの会議では、「損失と損害」への資金支援について議論がどれだけ深められるかが注目されています。
その最初のハードルは、損失と損害への資金支援がCOPの正式な議題として採択されることでした。というのも、「損失と損害」に対する資金支援を求める途上国に対して、気候変動を引き起こした補償問題になることを避けたい先進国がこの議論を回避してきたからです。
しかし、今日の開会式で、「先進国の責任や補償問題を含まない」という条件はあるものの、この問題が正式な議題として採択されました。2週間にわたる会議では、激しい議論となることが予想され、合意のゆくえは予断を許しません。
しかし、陽光あふれる地で開催されるCOPでは、実りある成果が上げるというジンクスがあることに期待したいと思います。
WWFでは、会議の成功をめざして2週間の会期中にさまざまな活動を行います。今後の発信にぜひ関心をお寄せください。
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