世界ユキヒョウの日:ユキヒョウの未来を守る女性たち
2022/10/23
10月23日は世界ユキヒョウの日です。
この日に先立ち、私たちが応援するWWFインド・西ヒマラヤのユキヒョウ保全プロジェクトの活動サイトでは、地域の子どもや女性を招いて保全活動を紹介するイベントが開催されました。
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WWFインドが地域の団体と共催で実施したイベントの様子。地元の映像作家によるドキュメンタリーの上映、クイズ大会やフィールド訪問とユキヒョウ満載の内容でした。
このプロジェクトではさまざまな活動を行なっていますが、そのひとつに毛織物をつくる女性たちのグループに対する支援があります。
彼女たちが作るヒツジやヤギの毛織物がより良い製品になるよう、工房の整備や流通への助言を行なっているのです。
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毛織物をつくる女性
なぜ環境保全団体が女性の支援をしているのか不思議に思われるかもしれませんが、実はこれ、ユキヒョウの保全に大きく関係しています。
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標高3,000~5,000mの高地に生息するユキヒョウ。インド国内の生息数は、わすか400~700頭と推定されています。
ユキヒョウは、気候変動や生息地の劣化などさまざまな原因で絶滅のおそれが高まっています。
特に、西ヒマラヤ地域では、ヒツジ等家畜の過剰な放牧に伴ない、ユキヒョウの獲物である野生の草食動物が減少。そのため家畜を襲うようになり、害獣として迫害・駆除される問題が、大きくなっています。
この問題を解決するには、地域の人々とユキヒョウの関係性を改善していかねばなりません。
そしてそのためには、人々がユキヒョウを害獣ではなく、共に生きていくべき存在として受け入れ、共に生きる工夫をしていくことが欠かせません。
過放牧に頼らず、毛織物の品質と生産性、収益性を上げ、地域全体で自然環境に対する意識を変えていく。女性グループへのサポートは、まさにそのための大事な取り組みの一環なのです。
いつか地域の人たちが、ユキヒョウの存在を心から誇りに思えるような、そんな未来を目指して、日本からも支援を続けていきたいと思います。