石垣島で野生生物をまもる人たち
2020/11/10
毎年多くの観光客が訪れる沖縄県の石垣島には、多種多様な固有の動植物が生息・生育しています。
そうした野生生物が今、密猟・盗掘の標的とされ、実際に国内はもちろん、海外でも取引されていることが報告されています。
ヤエヤマセマルハコガメ、オオハナサキガエル、マルバネクワガタ、ラン類等々。そのほとんどが、法令で採集・持ち出しが禁止されている希少種です。
先日、石垣島で密猟・盗掘の防止に取り組んでいる石垣島の皆さんと一緒に、現場確認に行ってきました。
地元の有志と一緒にパトロールを行なったり、捕獲が禁止されていることを伝える看板を立てたり、通報先を記載したちらしを配布したり、官民協力して、さまざまな合わせ技で、密猟・盗掘とたたかっている方々でした。
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ご案内くださった皆さま。右から、環境省石垣自然保護官事務所の仲本光寿さん、リフトアップ石垣島エコツアー/石垣島エコツーリズム協会・事務局の青木康夫さん、石垣市教育委員会文化財課の波照間督朗さん、WWFサンゴ礁保護研究センター長・小林。
密猟・盗掘は、個体数の少ない絶滅危惧種にとって直接の脅威となっているばかりでなく、自然の樹木を傷付け、生息地を破壊する行為も伴います。
高値で取引されている昆虫を採るために樹皮を剥がし、枝を伐採し、その後、枯死した樹木もありました。
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生息地に放置された、昆虫捕獲用と推測されるトラップ。

採集のため樹皮が剥がされ、枯死した樹木。
あとを絶たない密猟・盗掘の問題に対して、現場でたたかっている地元の皆さんと一緒に、今後も取り組みを進めていきます。
(野生生物グループ 小田倫子)