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【動画あり】12月2日、「パリ協定」の行方を決めるCOP24が始まりました


ポーランドのカトヴィツェで、国連の地球温暖化防止会議「COP24」が開幕しました。

COP24の会場。開催されているのはポーランド南部の都市カトヴィツェです。
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COP24の会場。開催されているのはポーランド南部の都市カトヴィツェです。

慣例通りの月曜開始ではなく、1日早い日曜から始まった背景には、必ず会議を成功させようという各国の強い意思があります。

COP24が開幕。会議はいつもより1日早く日曜日から始まりました。
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COP24が開幕。会議はいつもより1日早く日曜日から始まりました。

ポーランドのミハウ・クリティカ環境副大臣が議長に選出されると、すぐに議事の進行などに関する事務的な議案が次々に採択され、会議はスムーズに滑り出しました。
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ポーランドのミハウ・クリティカ環境副大臣が議長に選出されると、すぐに議事の進行などに関する事務的な議案が次々に採択され、会議はスムーズに滑り出しました。

COP24の命題は「パリ協定」のルールブックの策定。
2015年のCOP21で採択されたパリ協定は、今世紀後半にはCO2など温室効果ガスの排出を実質ゼロにし、産業革命以降の世界の気温上昇を2度未満に抑え、1.5度に抑える努力を追求する、という目標を掲げた世界の約束です。

2020年の始動が決まっていますが、達成のための詳細なルールはまだ未定。
そこでこの会議では、各国の利害を乗り越え、60もの分野に関係した詳細なルールを一つひとつ決めねばなりません。

もう一つの命題は、「タラノア対話」を成功させること。
実は、現在各国が掲げている削減目標は、すべて足し合わせても3度の気温上昇を許してしまいます。
そこで、各国の取り組みの強化につながるようなアイディアを出し合って、「交渉」ではなく、建設的な「対話」をしようと開始されたのが「タラノア対話」でした。今回のCOPでは、このタラノア対話を受けて、2020年までにより野心的な目標の再提出を各国に求めることができるかどうかが問われています。

2018年は、日本を含む世界各地で異常気象に伴う災害が多発し、これまでになく気候変動がクローズアップされた1年でした。

温暖化の深刻な影響を食い止めるには、2度の上昇に抑えても不十分といわれる中、10月に発表されたIPCCの報告書では、2度目標の困難を指摘しつつも、努力によっては1.5度の上昇に抑えることも可能とする希望を示しました。

COP24は、その希望に向けた選択をする重要な会議です。

© naturepl.com / Ole Jorgen Liodden / WWF

会場に集まった世界の自治体、企業、投資機関、NGOなどの「非国家アクター」は、すでに希望の道を歩むための取り組みを始めています。

私たちもCOP24の成功に貢献するため、現地で積極的な活動を展開していきます。ぜひご注目ください。(気候変動担当:山岸)

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自然保護室長(気候エネルギー・海洋水産・生物多様性・金融)
山岸 尚之

立命館大学国際関係学部に入学した1997年にCOP3(国連気候変動枠組条約第3回締約国会議)が京都で開催されたことがきっかけで気候変動問題をめぐる国際政治に関心を持つようになる。2001年3月に同大学を卒業後、9月より米ボストン大学大学院にて、国際関係論・環境政策の修士プログラムに入学。2003年5月に同修士号を取得。卒業後、WWFジャパンの気候変動担当オフィサーとして、政策提言・キャンペーン活動に携わるほか、国連気候変動会議に毎年参加し、国際的な提言活動を担当。2020年より自然保護室長。

京都議定書が採択されたときに、当地で学生だったことがきっかけでこの分野に関心をもち、大学院を経てWWFに。以来、気候変動(地球温暖化)という地球規模の問題の中で、NGOがどんな役割を果たせるのか、試行錯誤を重ねています。WWFの国際チームの中でやる仕事は、大変ですがやりがいを感じています。

人と自然が調和して
生きられる未来を目指して

WWFは100カ国以上で活動している
環境保全団体です。

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