大雨で都市が水浸し!その時に地下鉄は?
2018/10/24
豪雨、洪水が各地で大きな被害をもたらしているこの夏。
都市では、大雨で道路がまるで川のようになり、恐怖を覚えた人も多いでしょう。
こんな時に地下にある地下鉄はどうなってしまうのでしょうか???
そこで都営地下鉄を運営する東京都交通局に取材に行ってきました。
結論から言うと、過去にあった最大規模の洪水である東海豪雨(2000年)を想定した対策がきちんととられていました!しかもきめ細やかに!
対策の基本は、開口部からの水の侵入を防ぐこと。
駅には地上の入り口がいくつかありますが、海抜も少しずつ異なり、さらに坂の下だったりと地形も違います。それぞれに合わせた高さの止水板や防水扉が用意されているのです。
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都営浅草線馬込駅の止水板。水の進入を防ぐ装置は駅により異なる
都営線における防災対策は、1989年に氾濫した目黒川により、五反田駅が線路の上1mまで水に浸かったことが出発点だったそうです。
今では、すべての駅で、水防法に基づいた計画が策定され、毎年防災訓練が行なわれています。
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都営新宿線大島駅の防水扉。駅の入り口自体が閉まる
この夏は、本当に大雨や洪水・猛暑など異常気象の連続でした。
その中で多く聞かれたのが、「過去に経験したことのない~」という表現。
現在の防災体制が、過去最大規模の東海豪雨による洪水(総雨量589ミリ)に備えているとしても、気候変動の影響もあり洪水も激甚化が予想されています。
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大島駅の地上出入り口は海抜マイナス2.2m
現に7月の台風12号が東京へもたらす予想雨量は600ミリでした。
今回は災害とはなりませんでしたが、何より大事なのは、こういった状況をあらかじめ知って、準備をしておくことです。
詳しいことは下記の記事にありますので、まずはこれを読んで心構えしてくださいね♪
(気候変動・エネルギー担当 小西雅子)
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東京都交通局のみなさんは、どんな質問にもわかりやすく答えてくださった。
右から総務部安全対策推進課長 新原寛史氏、課長代理 小林靖茂氏、総務部広報担当 山岸慎太郎氏。
手前はWWFジャパン小西雅子