第20回中西部太平洋まぐろ類委員会(WCPFC)北小委員会および第9回IATTC・WCPFC北小委員クロマグロ合同作業部会に向けた声明


WWFは持続可能な太平洋クロマグロ漁業実現のため、本資源を管理するWCPFC(中西部太平洋まぐろ類委員会)北小委員会およびIATTC(全米熱帯まぐろ類委員会)・WCPFCクロマグロ作業部会に対し、ポジションペーパーを発表するとともに、会議事務局に提出しました。

太平洋クロマグロに関する科学委員会である北太平洋まぐろ類国際科学委員会(ISC)およびIATTC科学諮問委員会(SAC)の報告書によると、太平洋クロマグロの産卵資源量(SSB) は、現在までの資源管理措置の効果により、過去最低値のおよそ10倍にまで回復したことが明らかとなりました。

2024年のISCによる最新の資源評価結果の主な内容は以下となります。

  1. 1. 産卵資源量は 144,000 トン(初期資源量の23.2%)まで回復し、予定よりも早く2021年に次期回復目標(初期資源量の20%)に達した。
  2. 2. 本種の資源量についての管理基準値は決まっていないが、資源量は、WCPFCの他のまぐろ類で使用されている基準(初期資源の20%)と比較すると、資源は減り過ぎの状況ではない。
  3. 3. 本種の漁獲圧力についての管理基準値は決まっていないが、近年(2020-2022年)の漁獲死亡係数は、初期資源の23.6%を取り残す水準であり、WCPFCなどで使われる一般的な乱獲の基準を下回っている。

太平洋クロマグロの資源は回復目標まで回復したものの、生態学的、社会学的、そして経済学的にも重要な漁業資源である太平洋クロマグロを持続的に維持するため、WCPFCとIATTCに対し、WWFは以下の予防的措置を実施することを推奨します。

  • 2025年までに、予防原則に従い、太平洋クロマグロの限界管理基準値と目標管理基準値および管理戦略評価(MSE)を確立すること。
  • 各加盟国が2025年にMSEを確立することを再確認しない限り、漁獲枠を増やすべきではない。もし漁獲枠を増やす場合は、科学的勧告に基づくとともに、資源量の増加傾向が必ず維持される漁獲水準とすること。
  • IUU漁業リスクを削減し、適切な資源評価とモニタリングのため、太平洋クロマグロに対する漁獲証明制度(CDS)を2025年までに確立すること。

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