持続可能な熱帯マグロ漁業実現のため、WCPFCに対し17の日本企業・団体が連名で要望書を提出

この記事のポイント
世界で多く消費され資源低下が懸念されている熱帯マグロ類(カツオ、キハダ、メバチ)。その最大の漁場である中西部太平洋の漁業を管理する国際機関WCPFC(中西部太平洋まぐろ類委員会)と、日本の水産庁に対し、熱帯マグロ漁業の管理強化を求める要望書が、2022年に引き続き、日本の17の企業・団体より提出されました。世界有数の水産マーケットを有する日本の企業が、難航するWCPFCでの国際交渉の場に対し要望したことにより、持続可能な熱帯マグロ漁業にむけた議論が前進することが期待されます。

中西部太平洋まぐろ類委員会(WCPFC)における熱帯マグロの漁獲戦略導入を求める要望書

中西部太平洋まぐろ類委員会(WCPFC)
第20回年次会合
日本代表団 御中
WCPFC議長 Dr Josie Tamate殿


我々、持続可能な熱帯マグロ(キハダ、メバチ)の生産と消費を推進する日本の17の団体は、2023年12月4日から始まる中西部太平洋まぐろ委員会(以下、WCPFC)年次会合において、熱帯マグロ資源の持続可能な利用と保全のため、予防原則に従った漁獲戦略が導入されることを強く要請いたします。

中西部太平洋の熱帯マグロの漁獲量は増加傾向にあり、資源量もこの50年で大幅に減少してしまいました。もしこの状況が続くことになれば、世界のマグロ・カツオ産業のみならず健全な海洋生態系が危機的状況に陥ります。

このような状況を解決するために、WCPFC加盟国は、管轄下にある熱帯マグロについて、目標/限界管理基準値および漁獲制御ルールを含む、予防原則に従った漁獲戦略の導入を、早期に採択すべきです。

熱帯マグロは、世界で大量に漁獲されており、なかでも中西部太平洋はその世界最大の漁場です。WCPFCで上記を実現することは、世界における持続可能な漁業管理の推進にもつながります。よって、私たちはWCPFCが責任ある決定を下すことを期待します。

また日本は、熱帯マグロの世界有数の漁獲国であると同時に消費国でもあります。日本代表団には、熱帯マグロ漁業において、予防原則に従った漁獲戦略が採択されるよう、WCPFCにおいてリーダーシップを発揮することを期待します。

賛同企業・団体

イオン株式会社 (AEON Co., Ltd.)
石巻漁業株式会社 (Ishinomaki Fishery Co., Ltd.)
一般社団法人日本鰹節協会 (Japan Katsuobushi Association)
日本生活協同組合連合会 (JAPANESE CONSUMERS' CO-OPERATIVE UNION)
株式会社きじま (KIJIMA Co., Ltd.)
共和水産株式会社 (Kyowa Fishery co.,ltd.)
マルハニチロ株式会社 (Maruha Nichiro Corporation)
明豊漁業株式会社 (MEIHOGYOGYO Co., Ltd.)
三菱商事株式会社 (Mitsubishi Corporation)
株式会社にんべん (NINBEN CO.,LTD.)
株式会社ニッスイ(Nissui Corporation)
尾鷲物産株式会社(Owase Bussan Co., Ltd.)
株式会社シーフードレガシー (Seafood Legacy Co., Ltd.)
大洋エーアンドエフ株式会社 (Taiyo A&F Co., Ltd.)
東海漁業株式会社 (Tokai Fishery co.,ltd.)
東洋冷蔵株式会社 (Toyo Reizo Co.,Ltd)
WWFジャパン (WWF Japan)

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