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シリーズ:その電気、エコですか? あなたはいくら払っていますか?再エネ発電

この記事のポイント
世界が温室効果ガス排出をゼロにする「脱炭素化社会」を目指す中、日本でも再生可能エネルギーに注目が集まっています。しかし、太陽光や風力とは異なりバイオマスは燃料を要する発電方法で、燃料の種類によっては化石燃料よりも温室効果ガスの排出が高くなり、加えて環境破壊や人権侵害の可能性も秘めています。バイオマス発電が本当に持続可能なのかを皆さんに考えてもらえるきっかけを作るため、WWFジャパンではバイオマス連載シリーズを発信していきます。

新型コロナウイルスの感染拡大で自宅にいる時間が長くなった方は多くいらっしゃると思います。

自宅での時間が長くなると必然的に水道光熱費の使用が増えますよね。コンセントを抜いたり、冷蔵庫の開閉の頻度を減らすなど自宅で出来る省エネ術を工夫された方もいらしたのではないでしょうか?

そこで気になってくるのが電気代。
普段あまり明細をよく見ず一番大きく書かれた請求額に目がいってしまいがちですが、皆さんは「再エネ発電賦課金」をご存知ですか?

たとえば3人家族のWWFの某スタッフ。1か月の電気料金に上乗せして982円もの「再エネ発電賦課金」を払っていました。単純に計算したら年間1万円を超える支出。
©WWF Japan

たとえば3人家族のWWFの某スタッフ。1か月の電気料金に上乗せして982円もの「再エネ発電賦課金」を払っていました。単純に計算したら年間1万円を超える支出。

まず、「再エネ発電賦課金」の「再エネ」とは、太陽光や風力など自然を利用した再生可能エネルギーの略です。地球温暖化が深刻さを増す昨今、石炭やガスなどを燃やす火力発電は、大量の温室効果ガスを排出し、温暖化の原因になっています。

温暖化を抑える対策として今、再エネの利用拡大が求められています。

石炭などに比べると環境にやさしい再エネですが、初期投資にはコストがかかります。そこで、再生可能エネルギーを普及・促進していくために、国民がみんなでコストを負担する仕組みがこの「再エネ発電賦課金」なのです。

この賦課金の単価は、過去8年で約15倍に増えています。

2019年の再エネ賦課金の徴収額は3.6兆円。2030年には累計で44兆円に上るという試算も。
グラフは、経済産業省が発表する賦課金単価をもとに、WWF Japanが独自に作成。

2019年の再エネ賦課金の徴収額は3.6兆円。2030年には累計で44兆円に上るという試算も。

地球温暖化は気候危機とも呼ばれ、解決しなければいけない重要な問題であり、そのために私たち国民が「再エネ発電賦課金」を負担して再生可能エネルギーの普及・促進に協力することは大事です。

ただ、このお金の一部が森林破壊につながっている可能性があるとしたら、
皆さんどう思いますか?(次回に続く・・・)

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