2月20日は「センザンコウの日」
2021/02/22
毎年2月の第3土曜日は、「世界センザンコウの日」。
世界で最も密猟されている哺乳類、とも言われる、絶滅危機種センザンコウの保護を訴える日です。
センザンコウは全身をウロコで覆われた珍しい哺乳動物で、東南アジアに4種、アフリカに4種の計8種が知られています。
センザンコウは古くから、肉が食用に、皮革が革製品に、ウロコが薬の原料として利用されてきました。
2000年以降、特にアジアの経済成長に伴って需要が増大し、密猟や密輸が激化。
まずアジアで個体数が激減し、その後は代替としてアフリカの種が狙われるようになり、数を減らしました。
2000年から2019年までに、違法に取引されたセンザンコウの数は、実に89万頭を超えるといわれています。
また近年は、こうしたセンザンコウの危機が、人にも危険を及ぼす可能性が指摘されるようになりました。
センザンコウを「中間宿主」とする動物由来感染症の広がりがあるのではないか、と懸念されているのです。
今、全世界に大きな影響を及ぼしている、新型コロナウイルス感染症(COVID- 19)も、こうした動物由来感染症のひとつ。
世界の各地で続く、野生生物の過剰な利用や密猟、違法な取引といった「野生生物犯罪」が、新型コロナや未知の感染症を含む、さまざまな感染症のパンデミックを引き起こすおそれが、確かにあるということです。
2021年の「世界センザンコウの日」は、本日2月20日。
センザンコウをご存知の方も、初めて知った!という方も、ぜひこの野生動物についてご関心を深め、その背景にある問題をご一緒に考えていただければと思います。
野生のセンザンコウを、その生息域の自然環境を守ること。それは私たち自身の未来を守ることでもあるのです。