© Don Getty

8月12日は「世界ゾウの日」!


8月12日は「世界ゾウの日(World Elephant Day)」。
世界中の人たちが一緒になって、ゾウの保全を考える日です。

この日は2012年に、絶滅の危機にあるゾウに心を寄せる人たちによって制定され、毎年各地で保護のための呼びかけが行なわれています。

サバンナ、森林、半砂漠まで、多様な環境に適応して生きるアフリカゾウは、アフリカの大自然を象徴する生きものです。
© Jonas Lysholdt Ejderskov / WWF-Denmark

サバンナ、森林、半砂漠まで、多様な環境に適応して生きるアフリカゾウは、アフリカの大自然を象徴する生きものです。

そんな8月12日の主役ともいうべきゾウですが、地球上でその名が知られるゾウは何種いるか、ご存知でしょうか?

答えは、175種以上!

もっとも、その ほとんどは化石や骨格が残っているだけの、絶滅してしまったゾウたちです。

一般にゾウと呼ばれる、長鼻目の野生動物が地球上に現れたのは、今から約5,800万年前の北アフリカだといわれています。

その後、種分化を繰り返しながら、南極とオーストラリアを除くすべての大陸に進出。

多くの種は、500万年ほど前に地球の気候変化によって絶滅してしまいましたが、その後も生き残り、1万年前まで生存していたマンモスのような種も知られています。

シベリアのツンドラで冷凍保存されていた、絶滅種ケナガマンモスの牙。ケナガマンモスはユーラシア大陸と北米大陸の北部に広く生息していたと考えられているゾウの一種です。
© Staffan Widstrand / WWF

シベリアのツンドラで冷凍保存されていた、絶滅種ケナガマンモスの牙。ケナガマンモスはユーラシア大陸と北米大陸の北部に広く生息していたと考えられているゾウの一種です。

かつてはそんな隆盛を見せていた長鼻類ですが、今この世界で見ることができる野生のゾウは、2種のアフリカゾウ(サバンナゾウとマルミミゾウ)、そして1種のアジアゾウの計3種のみ。

しかもその全種が、絶滅の危機に瀕しています。

私たちが生きているこの現代という時代に、新しくゾウの絶滅種を人の手で増やすようなことは、絶対にしてはいけない。

今日の「世界ゾウの日」に、ゾウに思いを寄せる全ての人たちと、その決意を分かち合いながら、野生のゾウの未来を守る取り組みを、これからも支えていきたいと思います。

アフリカゾウによって荒らされた農地。報復のためゾウが殺されることもあります。ゾウにとって最大の脅威は、久しく象牙を狙った密猟でしたが、現在ではこうした人との「あつれき」が、最も深刻な問題とされています。WWFジャパンでは、タンザニアでこうした衝突を回避し、人とゾウが共存していくための活動を支援しています。
© WWF Japan

アフリカゾウによって荒らされた農地。報復のためゾウが殺されることもあります。ゾウにとって最大の脅威は、久しく象牙を狙った密猟でしたが、現在ではこうした人との「あつれき」が、最も深刻な問題とされています。WWFジャパンでは、タンザニアでこうした衝突を回避し、人とゾウが共存していくための活動を支援しています。

【寄付のお願い】アフリカゾウの未来のために|野生動物アドプト制度 アフリカゾウ・スポンサーズ

アフリカゾウの危機と、その保護活動を伝える動画ができました。WWFの活動を支える寄付制度「野生動物アドプト制度継続スポンサー」もご案内しています。ぜひSNSなどでお近くの方にご紹介ください。
https://www.wwf.or.jp/campaign/adopt/el/

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自然保護室(コンサベーションコミュニケーション グループ長)
三間 淳吉

学士(芸術学)。事務局でのボランティアを経て、1997年から広報スタッフとして活動に参加。国内外の環境問題と、保全活動の動向・変遷を追いつつ、各種出版物、ウェブサイト、SNSなどの編集や制作、運用管理を担当。これまで100種以上の世界の絶滅危惧種について記事を執筆。「人と自然のかかわり方」の探求は、ライフワークの一つ。

虫や鳥、魚たちの姿を追って45年。生きものの魅力に触れたことがきっかけで、気が付けばこの30年は、環境問題を追いかけていました。自然を壊すのは人。守ろうとするのも人。生きものたちの生きざまに学びながら、謙虚な気持ちで自然を未来に引き継いでいきたいと願っています。

人と自然が調和して
生きられる未来を目指して

WWFは100カ国以上で活動している
環境保全団体です。

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