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横浜市での「再エネ普及制度」に皆さんの声を!


1月15日、横浜市は「新たな住宅・建築物の脱炭素化促進制度(案)」を公表し、一般の意見を募集中です。

これから市内で新増築される住宅・建築物に対して、太陽光発電など再エネ設備の導入拡大や省エネ性能の引き上げを目指したものです。

その内容は部分的に評価できますが十分ではありません。

建築士から施主へ太陽光発電設備導入の意義と効果を説明し、その結果を市に報告する制度に留まっています。確実な太陽光発電の導入拡大には、「ハウスメーカー等への設置義務づけ」が必要です。

© WWF / Yunaidi Joepoet

都市部で再エネ導入を進めるには限られた空間を活用する工夫が不可欠です。

横浜市の温室効果ガスは主にどこから排出されているでしょうか? 実は住宅などの建築物で、約半分を占めます。排出削減目標の達成には、その削減が不可欠なのです。

また、市内で導入余地のある再エネ(電力)のほぼ全てが太陽光発電。その4割以上は住宅等の屋根に設置するものです。

なお、太陽光発電の導入による恩恵は脱炭素への貢献に留まりません。電気代や災害の影響の低減など、排出削減以外のメリットも期待できるのです。

こうした事情は都市に共通します。だからこそ、東京都や川崎市は、前述の太陽光パネル設置義務化を既に行なったのです。ならば、横浜市でも義務化に取り組んでほしいと思いませんか?

© Shutterstock / Planprophoto / WWF-US

住宅の脱炭素化には、再エネの利用に加えて、高効率なヒートポンプの利用といった省エネや電化も重要です。

開港以来、新しい文化の玄関口であり続けた横浜市。地球温暖化の防止に貢献し、その影響に対応し得る、新時代の住まいもまた、同市から全国に広がることを願ってやみません。

横浜市もハウスメーカー等に対する太陽光パネル設置義務化を行なうように、WWFジャパンも意見を提出します。皆さんもぜひ、ご参考の上、一緒に意見を届けましょう!

(2024年2月7日追記)
WWFジャパンは上記パブリックコメントに対して意見を提出しました。
内容はこちらよりご覧ください。



(気候・エネルギーグループ 吉川)

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自然保護室(気候・エネルギー)
吉川 景喬

公共政策修士(専門職)(京都大学) 大学院では環境政策、公共ガバナンスを中心として公共政策学を専攻。修了後は、大手物流企業でコーポレートガバナンスに関する業務に従事。2021年にWWFジャパンに入局。気候変動・エネルギーに関する国内政策アドボカシーを担当。

学生時代には季節のおいしいものを食べ歩き、度々近所の川べりを散歩していました。皆さん一人ひとりに身近な自然があるかと思います。それを根底から揺るがす気候変動。その対処に向けて社会の全てのアクターの方々と一緒に取り組んでいきます!

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