東京都下水道局の脱炭素の取組み(前編)
2023/07/19
地球温暖化防止の手立てとして、活用が進む再生可能エネルギー。その中で、すっかりお馴染みになった太陽電池ですが、更なる進化に向けて研究開発が進められています。特に注目が集まるのが「ペロブスカイト型太陽電池」です。
最大の特長は、薄く、軽く、曲げられること。今までは難しかった場所にも設置でき、大きな期待が寄せられています。
このペロブスカイト型太陽電池の実証実験が行われていると伺い、東京都下水道局の森ヶ崎水再生センターにお邪魔してきました!
ご案内くださった先では、一面の従来型太陽光パネルがお出迎え。反応槽という処理施設の蓋を特注して、その上に2016年から4,480枚が設置されています。国内最大の下水処理場ならではの眺めは圧巻でした。
そしてその一角にあるのが、お目当てのペロブスカイト型太陽電池です!
サイズの異なる3種類、合計9枚が設置されています。「設置」と言っても、実は基礎となるシートに結束バンドで固定しているとのこと。施工の際もまるでゴザを敷くようだったそうで、手軽さが十二分に発揮されていました。
実験では発電効率の測定のほか、屋外での耐久性も検証。紫外線や潮風、下水から生じた硫化水素などにさらされる、ペロブスカイト型太陽電池にとって過酷な環境での検証が行なわれていました。実用化には一つ一つ丁寧な検討が必要なことを改めて実感しました。
更に実用化した暁には、軽さと柔軟さを活かして、反応槽の既存の蓋に貼っていけるそうです。これら実証実験と今後の具体的な活用方法に、未来の社会を垣間見た気がしました。
ところで、森ヶ崎水再生センターの取組みは以上に留まりません。その幅広い環境施策を「後編」でご紹介します!
(気候・エネルギーグループ 吉川)