左 © WWF-US / Keith Arnold 右 © WWF-Sweden / Ola Jennersten

今日は110番の日~だれでもできる違法取引のパトロール~


1月10日は「110番の日」です。

本来、110番の適切な利用と重要性を広めるために作られたものですが、皆さまに「オンラインでの不適切な野生生物取引の通報」の重要性についても知っていただきたく、筆をとりました。

今や暮らしに欠かせないオンラインショッピングの市場は、年々拡大傾向にあります。

しかし、その中では違法性のあるものを含む、不適切な品の取り引きも行なわれています。

BtoC-EC市場規模の経年推移(単位:億円)

CtoC-EC推定市場規模。BtoC、CtoCともに市場規模が成長している。

出典:経済産業省、2023年8月31日ニュースリリースより
https://www.meti.go.jp/press/2023/08/20230831002/20230831002.html
(経済産業省のサイト)


オンライン・プラットフォームを運営する各社は、モニタリングをしていますが、出品数が膨大なため監視が追い付かず、未だ不適切な出品が散見されます。

例えば、希少な野生生物や、それを材料にした製品。

こういった物品の取引や広告は、法律で禁止されていることがありますが、今もオンライン上で出品されています。

希少な野生生物にとって、不適切な取引や需要が、密猟や過剰な捕獲を生む原因となるため、このような出品をなくすことが必要です。

© WWF-Sweden / Ola Jennersten

ヒョウの毛皮は、コートや財布などの衣料品、装飾品に用いられる。毛皮の取引は原則禁止されているが、オンライン上での不適切な出品が確認されている。

野生生物に限りませんが、オンライン・プラットフォームでは通常、通報・問い合わせ窓口など、ユーザーが運営に報告できる対策を講じています。

不適切な出品を見つけた際には、誰もが通報・問い合わせをすることができるのです。

こうした通報が、野生生物の保護の一助となり、「安心・安全なインターネット空間を作り出す」ことにつながります。

私たちは、違法な、また持続可能ではない野生生物取引をなくすため、活動を続けています。

皆さまにもぜひ、違法性が疑われる出品に気を配っていただき、気になったものは運営会社に連絡してみるなど、生きものに優しいオンライン市場を目指すアクションに、参加していただければと思います。
(野生生物グループ:柴田)

© Martin Harvey / WWF

【ご注意】気になる出品がございましたら、まずは運営会社に通報・連絡ください。

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自然保護室(野生生物)
柴田 有理

法務博士。大学院卒業後は官公庁に勤務。法律等による取締りの実務に携わった後、2023年にWWFに入局。現在は違法な野生生物取引及び持続可能でない野生生物取引対策業務を担当。

プライベートでもWWF会員。たくさんの人が地球のことをポジティブに考えられる未来を目指して日々勉強中。気になる動物はアオウミガメとセンザンコウ。

人と自然が調和して
生きられる未来を目指して

WWFは100カ国以上で活動している
環境保全団体です。

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