拡大する野生生物のオンライン取引についての報告書
2022/04/08
生物多様性グループ松田です。
2022年4月1日WWFは新しい報告書『Going Viral, Myanmar‘s Wildlife Trade Escalates online』を発表しました。
この報告書では、野生生物の取引がオンラインを通じて加速していることが示されています。
今回の報告では以下のことが明らかになりました。
- 2021年には173種、11,046点以上の製品がオンラインで取引
- オンライン販売の96%は生きた動物に対するもので、そのうち87%は野生から採取
- 哺乳類の販売投稿は、2020年から2021年にかけて241%増加
- 最大のオンライン取引グループの会員数は19,000人以上、1日に30件以上の投稿
- IUCNレッドリストに掲載された取引種の数は、2020年から2021年にかけて80%増加
この結果は、絶滅の危機に瀕している野生生物の違法な取引によりミャンマーの生物多様性を脅かしていること、また生きた野生生物の取引により、動物由来感染症(人獣共通感染症)へのリスクが高まっていることを示しています。
現地で活動する自然保護団体やその他の市民社会団体は、観光、物流、金融、輸送、テクノロジー業界といった 民間企業、法執行機関、そして必要に応じて国際機関とともに、あらゆる段階で違法な野生生物取引を阻止するよう提言しています。
いろいろと難しい状況が続く国ですが、頑張っています。
WWFのアジア太平洋地域での活動ネットワークとの協働を通じて、私も可能な限り生態系保全活動に貢献できればと思います。
関連情報
- 報告書『Going Viral, Myanmar‘s Wildlife Trade Escalates online』(英語:PDF形式)
- Upward trend in Myanmar online wildlife trade endangers biodiversity and public health(WWFインターナショナルのサイト)
- 国際犯罪化した違法な野生生物取引の撲滅をめざすIWT Hub
- 【動画】Combating Illegal Wildlife Trade through Ports(United Nations Development Programme)
- ASIA-PACIFIC COUNTER-ILLEGAL WILDLIFE TRADE HUB