福岡の企業が野生動物を含むペット販売終了へ!
2022/09/14
2022年5月、総合ディスカウントストアを展開する福岡県の企業が、ペットショップを通じて行っている犬や猫、ハムスター、ウサギ、熱帯魚など全ての動物の販売を2025年末までに終了することを発表しました。
これらの販売動物の中にはナマケモノやコモンマーモセットなどの野生動物も含まれていました。
今回の決定について、この企業は2021年末に策定したサステナビリティ基本方針で掲げる「商品提供を通じたエシカル消費の推進」、「社会問題解決への参画機会創出」の目標に基づくものだとしています。
今、日本では「環境・社会・経済」の持続可能性に配慮した企業の「サステナブル経営」が広く求められており、環境面で世界的に注目されているのが生物多様性の保全です。
日本は世界有数の野生動物のペット市場。
今回の発表を行なった企業でも販売例のあった、ナマケモノやサル類をはじめ、フクロウやトカゲといったさまざまな野生動物が、多くのショップでぺットとして販売されています。
しかし、こうした野生動物のペット利用は過剰な捕獲や違法取引を喚起し、その動物を絶滅の危機に追い込んだり、生物多様性の損失を招くことが指摘されています。
国際的に野生動物の利用は、環境・社会面の問題への懸念から、規制を強化する動きが強まっており、ペット・ビジネスなどを手掛ける日本企業にとっては、これがビジネス・リスクとなる可能性が高まっています。
このため、野生動物を商業的に直接扱う企業だけではなく、間接的に利用する企業も含め、自社や提携先が持続可能な事業を行なっているかを確認し、改善に取り組むことが必要です。
WWFジャパンでは、今後も野生動物のペット利用に関わる企業に対し、責任ある事業の実現を求めてゆきます(野生生物グループ 岡元)。