失われる熱帯林と「見えない油」パーム油の話
2018/02/11
こんにちは!WWFインドネシアのアグンです。
私は先日、飛行機で7時間かけて東京へやってきました。
熱帯林の現場での問題を、日本企業の方々へお伝えするためセミナーを開催したのです。
皆さんは森林破壊の「原因」は何だと思いますか?
木材の過剰な伐採でしょうか?
それも主因の一つですが「見えない油」と呼ばれるパーム油の生産が、今国際的に非常に大きな問題になっています。
私がここで強調したいのは、パーム油そのものに問題はないということ。
パーム油の原料、アブラヤシはただの農作物、つまり米や大豆と同じです。
問題はその「無秩序な生産方法」です。
そこで私たちは、持続可能な形で生産されたことを示すRSPO認証制度を普及するべく、現場で注力しています。
世界中で消費されるパーム油の約40%は小規模な農家がその生産を担っているため、セミナーではそうした農家の人々が認証取得を必要としている事例を紹介しました。
生産方法を改善すれば、貴重な森林を新たに切り拓くことなく、収穫量をあげることが可能なのです。
日本のみなさんには、なんだか遠い国のできごとに感じられるかもしれません。
しかし多くの食品に含まれるパーム油を100%輸入で賄う日本のみなさんの意識こそが、生産地での問題を解決する大きな力です。
「持続可能な生産が、当たり前であってほしい」そうした消費者の思いがメーカーの窓口に伝われば、流れは着実に変わってゆきます。
日本ではもうすぐチョコレートがたくさん出回る時期だと聞きました。
このチョコレートにも多く含まれるパーム油。
今回のセミナーの詳しい内容は、後日WWFジャパンのウェブサイトで報告しますので、これを機会にぜひ、見えない油の問題に目を向けてみてください。(聞き取り、編成:森林担当:伊藤)