© Wild Wonders of Europe / Magnus Lundgren / WWF

カムイチェプ、神の魚、サケ!


カムイチェプのチタタプ(肉や魚をたたきにしたアイヌ料理)が食べたい!

日露戦争終結後の北海道・樺太を舞台にした、金塊争奪サバイバルバトル漫画・アニメ「ゴールデンカムイ」を見てそう思った方も少なくないのではないでしょうか。

内容の面白さもさることながら、ヒロインであるアシㇼパさんをはじめとするアイヌの人たちが魅力的な、ゴールデンカムイ。

アシㇼパさんが話すアイヌ語の中でも、私が特に気になった言葉の一つが、カムイチェプ。

「神の魚」という意味で、サケのことを表しています。

神からの授かりものとして、アイヌの人々の間でサケが重要な食べ物とされてきたことが由来のようです。

朝ごはんやお弁当のおかずや、おにぎりの具材としても親しみ深い、サケ。そんな日本人に人気の魚を表す言葉としても、「神の魚」は決して言い過ぎではない気がします。

そんなサケ、日本で食べられているうちの多くが、チリで養殖されたものです。日本で消費されるサケのうち、実に約4割がチリ産です。

養殖場の生けすの中を泳ぐサケ
© WWF Chile

養殖場の生けすの中を泳ぐサケ

しかしチリでは、サケの養殖による自然環境や生きものへの影響が心配されています。

こうした問題の解決に向けたツールとして、自然環境、労働者や地域社会・先住民に配慮した国際的な養殖の認証、「ASC(Aquaculture Stewardship Council:水産養殖管理協議会)」認証があります。

持続可能な養殖業の証であるASC認証のマーク

緑色に「asc」、と書かれたマークが付いた商品を選ぶことで、自然環境への影響を最小限に抑え、地域社会・先住民への配慮に取り組んでいる養殖場を応援することができます。

カムイチェプ、私たちの食卓に欠かせないこの神の魚をこれも食べ続けていけるよう、サケを買う際には、この「asc」と書かれたマークの付いたサケを探してみてください。(海洋水産グループ:吉田)

ASC認証マークの付いたチリ産のサケ
© WWF Japan

ASC認証マークの付いたチリ産のサケ

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自然保護室(海洋水産)
吉田 誠

チリ、インドネシア、中国のフィールドプロジェクトを担当。

田舎生まれの田舎育ち。こどもの頃から自然の中で遊ぶことが好きで、自然を守る仕事がしたいと思っていたところ、WWFと出逢いました。海の環境、海の生きものを守るため、頑張ります。

人と自然が調和して
生きられる未来を目指して

WWFは100カ国以上で活動している
環境保全団体です。

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