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「あなたの事業所はいかが?「電気を使わないことでお金をもらう」という新しい仕事!」[グローバルエンジニアリング後編]


電気が足りない、というニュースがこの冬も騒がせていますが、電気は足りないときは、使う側でも調整すればよい!私たちの生活の中でも、節電すれば対価がもらえる、という仕組みを政府が用意していますが、皆さんはご参加されてますでしょうか?

でもこうした家庭への節電要請だけではなく、実は、事業者に対して「電気が足りない時だけ使わない(デマンドレスポンスと呼ばれる)」ということをまとめる仕事があって、電力需給ひっ迫の時に力を発揮するようになっています。これを電力アグリゲーターと言います。そのアグリゲータービジネスの草分けであるグローバルエンジニアリングを訪問してきて、非常にこのビジネスの広がりを感じて、わくわくしました!

実は世の中は「宝の山」がたくさんあるそうですよ!たとえば水をつくる浄水場や下水道処理施設なども電力の調整に使えるのだそうです。確かに取水設備からいくつもの浄水装置の池の間をポンプを使って水を移動させるのだから、電力が足りない時間帯だけポンプを止めても大きな問題にはなりません!そう考えると確かに世の中には同じように電力を使う時間帯を選ぶことができるものがたくさんありますね。こうした施設にとっても新たな投資なく追加収入が得られ、かつ電力需給ひっ迫を緩和できる社会貢献にもなって一石三鳥!電力需給ひっ迫は日時や時間が限られるので、こうしたディマンドリスポンスは非常に有効です。小さなものでもまとめればビッグビジネスになります! あなたの事業所ではいかがでしょうか?グローバルエンジニアリングのお話では、たとえば鋳物工場など、中小の事業所も大きな価値を生み出す潜在力があるそうです!

工場など電力を多く使う企業が、電気の効率利用による電力需給の改善に協力している。
© naturepl.com / Bryan and Cherry Alexander / WWF

工場など電力を多く使う企業が、電気の効率利用による電力需給の改善に協力している。

このディマンドリスポンスは、電力需給ひっ迫に役立つだけではなく、天気によって変わる風力や太陽光などの再エネによる発電量の変動を吸収するのにも役立ちます。日本ではまだ電力に占める再エネの割合は20%くらいですが、ロシアのウクライナ侵攻によって生じたエネルギー危機の中、安全な国産エネルギーである再エネの導入が世界中で加速しています。日本も少なくとも2030年には再エネ約40%を目指しているのですから、ディマンドリスポンスをどんどん普及させていく事が今まさに求められているのです!

詳しくはぜひこちらの記事をご覧いただき、あなたも新しいビジネスを検討してみてはいかがでしょうか?!

株式会社グローバルエンジニアリング様取材を終えて

株式会社グローバルエンジニアリング様取材を終えて

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専門ディレクター(環境・エネルギー)
小西 雅子

博士(公共政策学・法政大)。米ハーバード大修士課程修了。気象予報士。昭和女子大学特命教授、京都大学院特任教授兼務。
中部日本放送アナウンサーなどを経て、2005 年に国際 NGO の WWF ジャパンへ。専門は国連における気候変動国際交渉及び国内外の環境・エネルギー政策。2002 年国際気象フェスティバル「気象キャスターグランプリ」受賞。環境省中央環境審議会委員なども務めている。著書『地球温暖化を解決したい―エネルギーをどう選ぶ?』(岩波書店 2021)など多数。

世界197か国が温暖化対策を実施する!と決意して2015年に国連で合意された「パリ協定」の成立には感動しました!今や温暖化対策の担い手は各国政府だけではなく、企業や自治体・投資家・それに市民です。「変わる世の中」を応援することが好きな小西です♪

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