【COP26】非国家アクターのハイレベル会合が開催
2021/11/12
国連の気候変動会議COP26が開催されている、イギリスのグラスゴーより、気候変動グループの田中です。
国連では、各国政府によるCOPでの交渉とは別に、パリ協定の目標を達成するために、世界全体で非国家アクターの取組み、協働を進める「グローバル気候アクション」という枠組みを設けています。
非国家アクターとは、企業、投資機関、自治体、市民団体、ユースなど政府以外のあらゆるステークホルダーのこと。
11月11日には、この枠組みの下で、非国家アクターをテーマにしたハイレベル会合「よりよい世界へのレース」が本会議場で開催されました。
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グローバル気候アクションの枠組みで数々行われてきたCOP26でのイベントを締めくくるハイレベルセッション。
基調講演を行なったアントニオ・グテーレス国連事務総長は、「すべての国、すべての都市、すべての金融機関が、今すぐ、抜本的に、確実に、確認できる形で、排出の削減とポートフォリオの脱炭素化を始めなければならない」と呼びかけました。
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基調講演をされたアントニオ・グテーレス国連事務総長。遠くからでも引き付けられる力強いスピーチ。
続いて、パネルセッションに登壇したウガンダのユース環境活動家、ヴァネッサ・ナカテさんが「気候変動を止めることができるのは、各国政府や企業などが発表している約束ではなく、行動である」と力強く訴えると、会場には大きく長い拍手が湧き起こりました。
昨年、国連は「Race To Zero」という非国家アクター向けキャンペーンを立ち上げましたが、これには、気温上昇を1.5度に抑える目標を持ち、その実現に向けて行動を起こすことを約束した非国家アクターは、も約7,900までに増加しています。
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Race To Zeroキャンペーンをリードする、ハイレベル気候チャンピオンのゴンザロ・ムニョス氏(写真中)とナイジェル・トッピング氏(写真右)。世界の非国家アクターを束ねてきたこれまでの道のりを語っている。
世界各国で躍動する非国家アクター。今日のイベントはその活動の集大成でもあり新しいスタートのように感じました。
これからは、非国家アクターに、約束を今すぐ行動に変えていくことが求められます。そして、互いに協働し、脱炭素に向かうレースの勢いをいっそう加速していくことが、気温上昇を1.5℃に抑える鍵といえます。
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