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アジアゾウを比べてみる-「においの惑星」を堪能しよう


「におい」に着目した環境教育プログラムから生まれたサイト「においの惑星-くんくんPlanetに出かけよう」に掲載している「うんことばホイール」を堪能する企画。今回は、異なる動物園に暮らすアジアゾウを見比べてみます。

「においの惑星」とは?

「においの惑星―くんくんPlanetに出かけよう」は、「におい」に着目した環境教育プログラム「においでめぐる動物園―くんくんPlanetに出かけよう―」を通じて集められた、動物たちのうんこのにおいを表現した言葉を集めた「うんことばホイール」を公開するサイトです。

においの惑星 くんくんPlanetへ出かけよう!

たくさんある「うんことばホイール」の中から、今回は、異なる動物園に暮らす同じ動物を見比べてみます。

「においの惑星―くんくんPlanetに出かけよう」のサイトを開き、「うんことばホイール一覧」で動物を選択して、見たいホイールを選びます
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「においの惑星―くんくんPlanetに出かけよう」のサイトを開き、「うんことばホイール一覧」で動物を選択して、見たいホイールを選びます

アジアゾウを異なる動物園で見比べてみよう

どんな言葉が多い?

アジアゾウを選択して、ホイールを見てみましょう。アジアゾウは多くの動物園で飼育されているので、うんことばホイールもたくさん完成しました。

うんことばホイールには、たくさんの「うんことば」が円形に並んでいます。この一つ一つは、イベント参加者のみなさんが書いてくださった、アジアゾウのうんこのにおいを表現した言葉です。

アジアゾウのうんこのにおいを表現した言葉たち。全体像をサイトでぜひご覧ください。
©WWF Japan

アジアゾウのうんこのにおいを表現した言葉たち。全体像をサイトでぜひご覧ください。

たくさんの表現が並びますが、どの園でも目立つのは「草・葉っぱ」という文字。
そして、

「動物園に来たー!」@京都市動物園
「“動物園と言えばこのにおい”という感じ」@上野動物園
「いつもの動物園」@よこはま動物園ズーラシア2018年

など、動物園のにおいという表現です。

でも、沖縄こどもの国動物園のアジアゾウのうんことばホイールでは、動物園と書いた言葉があまりありません。

なぜなのでしょうか?

異なる理由は何か?

ゾウの個体差?それとも、参加者の年齢層の違い?(沖縄こどもの国動物園は、他の動物園よりも低年齢の参加者が多い印象でした)本当の理由は、わかりません。

ただ、もしかしたら関係があるのかもしれないな、と思われるのが、与えているエサの違いです。
多くの動物園では、チモシーと呼ばれる牧草や、稲わらなどの乾燥飼料がエサに使われています。また、ニンジンや、バナナ、リンゴなどの果物を一緒に与えているところもあります。
一方で、沖縄こどもの国動物園のアジアゾウが食べていたのは、生の枝葉です。一日に、オスならなんと300kgもの枝葉を食べていました。常緑樹が豊富な沖縄では、飼料を使わずに枝葉を集めることでゾウのエサをまかなうことができるのだそうです。

ワークショップイベントで飼料庫を回ると、たくさんの枝葉が立てかけられていました
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ワークショップイベントで飼料庫を回ると、たくさんの枝葉が立てかけられていました

野生のアジアゾウだったら…想像してみよう

野生で暮らすアジアゾウは、草や果実、樹の皮や小枝などを食べています。また、毎日70~90Lもの水を飲みます。
東南アジアからインドに広がる豊かな熱帯林やサバンナで、時に300平方キロにもおよぶ行動圏を、食べ物を求めて移動しながら暮らしています。

うんこには、食べた植物の種子もたくさん入っています。うんこの中にある種子は、いわば肥料に囲まれた状態です。アジアゾウは広い範囲を移動しながらうんこをすることで、その地域の植物を育てる役割も果たしています。

野生のアジアゾウのうんこは、一体どんなにおいがするのでしょう。
たくさんのうんことばを読みながら、ぜひ想像してみてください。

(文:熊谷香菜子)

野生に暮らすゾウのうんこはどんなにおいがするのでしょう
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野生に暮らすゾウのうんこはどんなにおいがするのでしょう

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においの言葉でさぐる、野生動物のこと

動物たちのうんこには、彼らの生活がぎゅっと詰まっています。
そのにおいを言葉にして集めた、においの惑星、を訪ねてみませんか?

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C&M室
松浦 麻子

普及啓発教育担当。

科学館から流れてきたコミュニケーター。未来を創る次世代を育てることを使命と思い、全国津々浦々で次世代たちと向き合っています。Communicationの語源は「共有する」、Educationの語源は「引き出す」という意味だったと聞きます。科学、アート、音楽など好奇心の赴くままに満たしてきた自身をまるっと共有、次世代たちの「社会を見る」力と「未来を創る」力を引き出すことを目指しています。

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