日本独自の規格は、途上国に進出しようとする日本企業の足かせに?[シュナイダーエレクトリック後編]
2020/05/08
※このインタビューは2019年11月8日に行いました
2020年に始まった地球温暖化対策の国際条約「パリ協定」は、今世紀末のなるべく早くに世界の温暖化ガスの排出量をゼロにすることを定めていますが、そのためには、すべての産業に大変革が求められます。
日本には、JIS(*1)やJEC規格(*2)などの独自の技術規格があります。日本企業に高度な技術力の育成を促す反面、日本進出を目指す海外企業には大きな障壁となってきました。
一方、人口が急増する途上国では、電力関連のインフラ整備の需要が旺盛。ここでは、国際規格を採用するところが大半なのだそうです。したがって、国際規格に基づく企業が世界中から途上国市場に参入しようとしのぎを削っています。
そこへ、日本独自の規格にあった技術を持つ日本企業が参入しようとしても適合させるのが難しい。独自規格は、今や、日本企業の足かせにも・・・。
日本企業を優先する日本政府のODA事業でも、途上国では、日本企業はやはり国際規格に合わせねばならず、苦労するといいます。
人口減の日本から、需要拡大の途上国に転じないと企業は収益を保てない中、脱炭素社会に向かうこれからは、新たな発想も求められます。
再エネなどの技術でも後れを取る日本企業ですが、再エネが100%近くなっても、その変動を先進的に制御できる電力会社なども出てきて、実は変化の兆しも見えます。しかし、多くは上に述べたとおりなのです。
外資系企業のシュナイダーエレクトリック社は、再エネを生かす技術などに強みがありますが、日本企業の海外進出をサポートすることにもビジネスチャンスを見出しています。国内外のエネルギー事情に詳しい同社を取材し、ダイナミックに変化する世界のエネルギー関連市場について話を伺いました。
*1:日本産業規格(JIS)
*2:電気学会電気規格調査会標準規格(JEC規格)