【動画あり】一本の川が隔てる景色 熱帯林保全の最前線
2019/05/30
新たに森林グループの一員になりました岩渕です。
さっそくインドネシア・スマトラ島のテッソ・ニロ国立公園とその周辺地域を訪問してきたので、新鮮な目で見て感じてきたことをブログに書くことにしました。
今回最も印象に残ったのは、森林伐採の最前線を目にしたことです。下の動画はその時ドローンで撮影したものです。
テッソ・ニロ国立公園の森林伐採の現場(インドネシア・スマトラ島)
素晴らしい熱帯林が広がっているように見えますが、カメラが引いていくと状況が一変します。
一本の川をはさんで豊かな森林と皆伐地が異様なコントラストをなしています。
このような状況が作られたのは、川が保護区の境界線になっていて、一方が守られているからではありません。
実は両岸とも国立公園の中なのです。
たまたまそこに川があり、一時的な防波堤となってくれたに過ぎません。
川は船で渡ることもできるし、乾季には徒歩で渡れるほど水量が減ることもあり、対岸の森も安泰とは言えません。
国立公園の設立は、森や自然を守る方法の一つです。
しかし、国立公園を作ることはゴールではなく、むしろスタートに過ぎないということを、この目で見て実感することができました。
WWFが、国立公園設立後も違法伐採のパトロールなど、さまざまな活動を継続してきたのもそのためです。
現在は、地域住民が森林を破壊せず収入を得られるように、エコツアーやハチミツ生産の支援などの活動も行なっています。
しかし近い将来、森林破壊が止まったとしても、いつまた再開するか分かりません。
状況を常に見極めながら、粘り強く活動を続けていくことが重要です。
私も、継続は力なり、をモットーに取り組んでいきます。
引き続き、この活動にご注目・ご支援頂きますようよろしくお願い致します。