伊藤健次の北の生き物セレクション


厳しい残暑が続きましたが、いかがお過ごしでしょうか?
地球温暖化の目撃者として北海道の変化を語っていただいた、写真家の伊藤健次さんの北海道新聞での連載が、このたび本になりました。見た目も涼やかな、暑い日にうれしい1冊です。

地球温暖化の目撃者は、WWFが温暖化の現状を目の当たりにし、その被害に苦しむ人たちの声を、さまざまな国や地域の現場から集め、世界に向けて発信したプロジェクトで、2004年から2012年に展開しました。伊藤健次さんは、北海道の雪が減るなど、天気のサイクルが変わってきているという危機感を、豊富な生き物の写真と共に伝えてくださいました。

新刊の『伊藤健次の北の生き物セレクション』は、北国の生き物たちの躍動感あふれる写真だけでなく、まるで隣人に話しかけるようなヒグマやキタオットセイについてのエッセイで、その場に自分も居合わせたような気持ちになります。

伊藤健次の北の生き物セレクション

伊藤健次の北の生き物セレクション

特に印象に残ったのは、エゾシカの寛骨の写真。大きめの哺乳類が白い骨になるまで、大地に留まっていられる時間が流れていることに、北海道の雄大さを感じました。

目次がヒグマ、エゾシカ、エゾユキウサギ、・・・と生き物の名前になっているので、好きな生き物の写真から見ることもできます。
素晴らしい自然に思いを馳せさせてくれる一方で、それが今この瞬間も、深刻な気候危機にさらされていることを思わずにいられません。

今年11月の末にはドバイで国連の気候変動会議(COP28)が開催されます。世界の国々が一つになり、気候危機の解決に向けた強い意思を示すことを期待したいと思います。

(気候危機担当:下元)

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自然保護室(気候・エネルギーグループ)
下元 清香

小学生の頃、図書館で地球環境問題の大きな本を手に取り、人口爆発の絵にショックを受けて以来、環境問題に細々と関心を持ち続けてきました。難しくなりがちな気候変動とエネルギーの問題を、多くの人にわかりやすく伝えたいと思っています。

人と自然が調和して
生きられる未来を目指して

WWFは100カ国以上で活動している
環境保全団体です。

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