© WWF-Japan / Mima Junkichi / WWF

危険な暑さの夏の宿題


秋の虫が鳴きトンボ舞う季節になってもなお、危険な暑さが続いています。

帽子と日傘で陽射しを遮って日陰を渡り歩いても、すぐ汗が噴き出し、5分の距離でもぐったりしてしまいます。

気象庁は今年7月が全国的に記録的な高温となり、全国の平均気温が昨年7月の記録をさらに上回って第1位となったと発表しました。

世界の月平均気温も、欧州連合(EU)の気象情報機関「コペルニクス気候変動サービス(C3S)」によれば、この7月は、観測史上最も暑かった2023年をわずかに下回る2番目に暑い7月だったとのこと。
高温傾向が続いていることは間違いなさそうです。

© WWF-US / Justin Mott

記録的な暑さにどれだけ温暖化が関係しているかは、イベント・アトリビューションという手法で数値化できるようになってきています。

温暖化の原因となる温室効果ガスの排出を減らすため、家で使う電気を再生可能な自然エネルギーの電力会社に切り替え、省エネ型の家電やLED照明を選ぶなど、暮らしの中でできることはたくさんあります。

でも、今の気候変動は、一人一人の力では止められないスピードですすんでいます。

そこで鍵となるのが政策。
その要となるのが、日本の中長期的なエネルギーの在り方を決めるエネルギー基本計画です。

2024年はその7回目の改定の年で、国の審議会で議論されています。

新しい計画で、火力発電の利用を減らし、再生可能エネルギーの活用拡大を定めることができれば、国としての温暖化対策は大きく進むことになるでしょう。

また、地球温暖化防止の世界の約束「パリ協定」達成のための、国別の削減目標(NDC)を、より高いものにすることも、政治の大事な役割。こちらの議論も始まっています。

2つの議論への働きかけは、WWFの大事な活動の一つ。

政策を決める審議会は、多くがネット上で公開されています。皆さまもぜひ関心を持っていただき、私たちの活動を応援してもらえればと思います。

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関連情報

自然保護室(気候・エネルギーグループ)
下元 清香

小学生の頃、図書館で地球環境問題の大きな本を手に取り、人口爆発の絵にショックを受けて以来、環境問題に細々と関心を持ち続けてきました。難しくなりがちな気候変動とエネルギーの問題を、多くの人にわかりやすく伝えたいと思っています。

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環境保全団体です。

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