火災を引き起こす、紙と油?
2019/10/30
【動画】スマトラ島ジャンビ州にて ©WWF Indonesia
今日は、日本であまり報道されないインドネシアのニュースをお知らせします。
インドネシアでは9月から何百万人もが呼吸器官系の健康被害を訴え、一部の州では、10月末まで非常事態宣言が発動されました。
原因は、森林や泥炭地での火災が都市部にもたらす煙害(ヘイズ)です。
通常、泥炭地は湿地であるため燃えにくく、発生原因は人的要因だと指摘されています。
インドネシアの環境林業省は、今年の1月~9月15日までで約33万ヘクタールが消失したことを発表。
これは、東京都の面積(約21万9千ヘクタール)を優に上回る勢いです。
そして、この火災は、海を隔てた日本とも間接的につながっています。
生活に身近な「紙製品」や、多くの加工食品に含まれる植物油「パーム油」の生産過程でこうした火災が引き起こされているからです。
森林や泥炭地に、紙の原料となる植林木のプランテーションや、パーム油の原料となるアブラヤシの農園を造成する際の、整地を目的に火が利用されているのです。
しかし、すべての紙製品やパーム油の生産に問題があるわけではありません。
森に配慮して持続可能に生産された紙や木材、パーム油も存在します。
今日はそうした製品に付されるFSC®やRSPOのマークを紹介します。
この2つはそれぞれ、火の利用はもとより、
貴重な自然林を植林地にしたり、泥炭地を農地にしたりすることを禁止する認証制度。
日本でもこうした製品を選ぶことで、生産国に残されている貴重な自然環境を守ることができるのです。
パーム油を100%輸入でまかない、コピー用紙など、日常で多く使う紙製品をインドネシアから輸入している日本に住む私たちだからこそ、買うときの責任も、インパクトも大きいのだと思います。
私も選ぶことから、できることを、できるだけ、積極的に増やしていきたいです。