ターゲットは旅行客!中国で進む象牙の取り組み
2019/10/07
2017年年末、中国は国内での象牙製品の製造・取引を全面的に禁止しました。
これは、止まないアフリカゾウの密猟を阻止するために断固とした態度を取ることを、世界に示した大きな決断でした。
それでも、すぐに象牙の需要がなくなるわけではありません。そして、需要があれば密売が起きます。
そこで、WWFと国内外の野生生物取引を監視するTRAFFICでは、中国の象牙についての消費者調査を実施。
その結果を元に、中国本土を中心に象牙の需要を削減するキャンペーンを展開してきました。
調査からは、象牙の国内取引が禁止になったことを知った上でも、購入の意思を示す消費者が一定数存在することがわかっています。
「ダイハード・バイヤー」と呼ばれるこうした人たちは、2017年に19%でしたが、2018年には14%に減少。一定の効果も見えてきています。
しかし、2019年は変化が見られず14%を維持。しかも、旅行先の国外で象牙を購入したことのある人が、2018年の18%から27%に増加していることが明らかになりました。
こうした違反行為を知らずに、また軽い気持ちで犯してしまうリスクをなくすためにも、身近なところでの注意喚起は重要です。
10月1日~7日は、中国のゴールデンウィークと言われる国慶節。
この折の観光客の移動が、象牙の違法取引を増加させることの無いように、今年のキャンペーンでは、香港、タイ、ベトナム、日本に向かう中国人観光客にSNSでメッセージを配信する施策も展開されます。
日本も来年は特に観光客の多くなる年。私たちも、関係省庁、企業と協力し、海外からのお客様に向けた注意喚起をしていきたいと思います。