国会でも議論に 対応が遅れる日本の象牙取引規制
2019/06/13
6月26日、通常国会の会期が終了します。
この国会では2度にわたり、与野党の議員から、日本の象牙に関する質問がありました。
いずれも、国内における象牙の取引規制の課題を、政府に問うものです。
アフリカでは今も、象牙を目的としたゾウの密猟が続いています。
そして、この問題に対し、象牙を取り扱ってきた国々は、国内取引を厳しく規制する姿勢を明らかにしてきました。
2000年以降、最大の象牙消費国となった中国は、2017年12月末に国内でも象牙の製造・販売を禁止。
高価なアンティークの素材として象牙を取引してきたイギリスも、2018年12月にその商業利用を禁じる新法を承認しました。
日本もまた、過去に合法的に輸入した大量の象牙を、在庫として持つ国。これを利用した製造・販売も続いています。
しかし、現在の日本では対策の改善が遅れており、国内市場に違法な象牙が紛れ込んでも、これを厳しく区別することができません。
また、匿名で象牙製品の売り買いが容易な、インターネットを利用した取引についても、消費の変化と速さに対応した、適切な規制が追い付いていないのが現状です。
中国より前に、世界最大の象牙輸入国だったのは日本でした。
たとえ、その頃に輸入していた象牙の取引が、今おきている密猟とは無関係だとしても、管理や規制の徹底は欠かせません。
実際に今、日本から海外に向けた、象牙の密輸が多発。国際的な闇市場にも寄与している可能性があるのです。
この日本の象牙をめぐる政策については、ニューヨーク市長から東京都知事に対し、書簡が送られるなど、国際的にも注目される問題になっています。
引き続き、政策の見直しを政府に要望しながら、働きかけを続けたいと思います。