© Ranjan Ramchandani / WWF

象牙とアフリカゾウ 7月31日は「世界レンジャーの日」です。


広報担当の大倉です。
7月31日は「世界レンジャーの日」です。

© Gary Van Wyk / The Ginkgo Agency / Whiskas / WWF-UK

ネパールのバルディア国立公園をパトロールするレンジャー

レンジャーは、世界各地で国立公園などの保護区を警備し、野生生物を密猟から守る業務などに就いています。

その働きは重要で、たとえば、対策が成果を上げているネパールからは、トラやサイの「密猟ゼロ」が1年続いた、2年続いたといううれしい知らせが届くことがあります。
ネパールにはレンジャー以外にも地域住民によるパトロール組織があったり、ネパール軍が協力していたりするので、手厚い体制ができているのです。

一方、レンジャーが非常に厳しい現実に直面している地域があるのも事実です。
密猟が激しいアジアやアフリカ中部をWWFが調査してみたところ、年間で100人を超えるレンジャーが密猟者との闘いで、任務中に亡くなっていることが判明しました。

密猟者が武器を所持している場合、レンジャーは殺されたり、重傷を負うことがあります。
途上国では、負傷後に、満足な治療を受けることができず、命を落とすケースも見られます。

©WWF / Mike Goldwater

密猟者から押収した象牙を手にするカメルーン・ロベケ国立公園のレンジャー。足下には押収した銃も並ぶ。

アジア全体で見れば、トラやサイの密猟がなくなりません。
アフリカでは、アフリカゾウへの密猟が激しくなり、年間2万頭ものゾウが殺されています。

©Claire Clarke / © Sumanth Kuduvalli / Felis Creations / WWF

写真左:アフリカゾウの親子(ケニア)アフリカゾウは1979年には134万頭生息していましたが、2016年には42万頭にまで激減しています。
写真右:ネパールのテライ・アーク景観区では、密猟対策などの保護活動の結果、2011年に534頭だったインドサイが、2015年には645頭に回復しました。

野生生物の密猟の背景には、その骨や毛皮や象牙、あるいはそれらでできた薬などの製品を求める需要があります。そして、こうしたものの取引は、国境を越え、違法に行なわれるため、取り締まるのが容易ではありません。

今年の「世界レンジャーの日」は、密猟と闘うレンジャーたちの勇敢な働きに思いをはせ、アジアやアフリカにおけるトラやサイやゾウを守る活動を支えたいと思います。

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C&M室 メディアグループ所属
大倉 寿之

メディアを通じた環境情報の発信を担当しています。ESDなど教育に関わる仕事も手がけています。

90年代の諫早干拓問題やオゾン層破壊の話題はけたたましくアラーム音が鳴り響く「警告の赤」。一方、今の温暖化の進行や自然資源の過剰消費は、いつみても「要注意の黄」がともっている状態なのかもしれません。これに慣れっこになってはいけない、そう思いながら、環境ニュースに日々感度の高いアンテナを張っています。

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